NEC、構造改革終え海外積極投資へ スイス企業買収(産経新聞)

【リンク先抜粋】
 NECは5日、スイスの大手金融ソフトウエア会社アバロックを総額約2380億円で買収すると発表した。NECとしては、過去最大の企業買収となる。かつてはパソコンや携帯電話、半導体などで一世を風靡したが、事業の整理や人員削減といった厳しい構造改革を経て、ようやく海外への積極投資といった前向きな動きが出てくるようになった。新型コロナウイルス感染症の拡大はNECが得意とするITサービスにとって“追い風”でもあり、このまま成長軌道に乗れるかがカギとなる。(桑原雄尚)  NECによると、買収するスイスの大手金融ソフトウエア会社アバロックは、金融資産管理向けソフト市場で欧州トップのシェアを誇り、アジア太平洋地域でも2位の地位を確保。NECは政府系機関のデジタル事業に強いため、アバロックを通じて金融サービスのデジタル事業にも参入したい考えだ。  具体的には、アバロックの金融システムにNECの持つ生体認証や人工知能(AI)を組み込み、新たな付加価値を生み出すことを想定している。  海外企業の買収の背景には国内事業の先細りがある。NECは平成30年1月、30年度から3年間の中期経営計画で、グループ全体の約3%にあたる3千人を年度内に削減すると発表。国内工場の統廃合にも切り込んだ。12年度に約5兆4100億円あった売上高が、半導体や携帯電話の事業撤退などで28年度には半分以下の約2兆6650億円にまで落ち込み、構造改革は待ったなしだった。  一方、中計では最終年度の令和2年度に売上高を3兆円、本業のもうけを示す営業利益を1500億円とする目標を掲げた。その際に成長戦略の1つとして掲げられたのが海外事業の強化だ。NECの海外売上比率は全体の4分の1程度にとどまっており、国内市場の頭打ちが予想される中、積極的な海外展開は不可欠だった。  NECは中計が発表される直前に、英国のITサービス企業ノースゲート・パブリック・サービスを約710億円で買収すると発表。31年2月にはデンマーク最大手のIT企業KMDを約1360億円で買収した。  今回のアバロック買収もこの一環で、NECは「顧客開拓などでシナジー(相乗効果)が期待できる」と強調している。

続きはこちら

(2020/10/05)