「リユース着物」 安さだけじゃない魅力、百貨店が発信 人間国宝の作家モノも(産経新聞)

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【近ごろ都に流行るもの】  良いものを受け継ぐ。サスティナブル。エコロジー。歴史と伝統…。はからずも、現代の価値観を凝縮している日本の着物。その魅力を問う斬新な「リユース着物」催事が、都心の老舗百貨店で開かれている。百貨店であえて中古を売る決断は、江戸時代の呉服商としての原点回帰の意義もある。コロナ断捨離で家に眠る着物が中古市場に放出されるなど、流通も新たなフェーズを迎えている。(重松明子) 【写真】中古の着物の柄を生かしたお手頃な小物も  高島屋日本橋店(東京都中央区)。「リユースきもの魅力再発見フェア」初日、24日の開店とともに訪れた。年間約100万枚の中古着物を買い取る最大手「バイセルテクノロジーズ」(本社・東京都新宿区)が供給した2000点以上が並び、バリエーションは実に豊富だ。  さいたま市のパート事務女性(61)は、5000円の絞り染めのきものと1万円の型染めの帯を購入。「大満足。これを着てお芝居を見に行きたい。昨年、母が遺(のこ)した着物を生かしたいと着付けを習い始め、今はすっかりはまっています」とにっこり。色留め袖と帯を計16万円で購入した年配女性は、「着物を選ぶ基準は好きかどうか。状態も良く、リユースは嫌という気持ちは全くない」。  会場には、着付け動画で人気のユーチューバー「すなお」さんがコーディネイトした着物と帯のセット(本体価格2万円)や、華麗な加賀友禅の振り袖(8万8000円)などが目を引く。人間国宝の作家モノまである。  仕立て直しやリフォームの相談、買い取りコーナーも設置。これほど多角的なリユース着物の百貨店催事は珍しい。  「着物の楽しさを追求したら、リユースに行きついた。着物はもともと自由なもの。組み合わせの楽しみを再発見していただきたい」と同店呉服部の宇野万貴子部長。平成4年の新卒入社以来、呉服一筋。新品販売が当然の百貨店でマイナスイメージになるとの不安はなかったのか?  「正直その心配があり、これまで着手できなかった。しかし、高島屋が呉服店として創業した天保2(1831)年当時は中古の売買が当たり前でした。歴史が巡って、現代の価値観も多様化。新品ピカピカだけではない、リユースの良さが共感されている」  将棋の藤井聡太二冠が棋聖戦で身に着けた袴(はかま)「仙台平」が話題になるなど、男性和装への関心を受けて、一角に

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(2020/10/04)