関電原発、試練の秋に テロ対策施設が再び期限切れで停止 11月には「原発ゼロ」可能性も(産経新聞)

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 関西電力の高浜原発4号機(福井県高浜町)が8日、テロ対策施設の設置期限を迎える。7日に定期検査(定検)入りして稼働を停止し、本格的な運転再開は早くても来年2月以降になりそうだ。大飯原発3号機(同県おおい町)では設備の不具合で運転再開が未定となり、11月には3年半ぶりの「稼働原発ゼロ」に陥る可能性が出てきた。  テロ対策施設「特定重大事故等対処施設」(特重施設)は東京電力福島第一原発事故後に設置が義務付けられ、期限内に完成しないと運転は認められない。  特重施設には大規模工事が伴い、工程も長期にわたる。関電の場合、全原発7基の設置工事費は計4483億円と試算する。来年6月以降には高浜1、2号機などが期限を迎えるが、間に合うかは厳しい状況だ。  また、定検中の大飯3号機では9月に配管の亀裂が発見された。原因や対策を原子力規制員会に報告しており「(規制委の)評価を待つしかない」(関電幹部)状況。このため、当初10月下旬予定だった本格運転再開のスケジュールは見通しが立たなくなった。  すでに高浜3号機は特重施設の設置期限切れで停止中。大飯4号機も11月3日定検に入る。関電の原発は平成29年5月以降少なくとも1基は稼働してきたが、11月以降は3年半ぶりに稼働原発がゼロになる可能性が高まっている。  順調にいけば、高浜3号機が12月22日には運転を再開する予定だ。ただ、原発が止まれば火力発電などで代替する必要があり、1基の停止で月25億~35億円程度利益を下押しする。  今期の業績予想は新型コロナウイルスで電力需要が落ち込み、最終利益は前期比30・8%減と厳しい経営環境にある。森本孝社長は原発停止を「若干の影響はあるが、一定の前提を盛り込んでいる」とするが、マイナス材料となるのは避けられない。  来年1月以降、運転開始から40年以上が経過した美浜3号機(同県美浜町)など3基の再稼働も控えるが、金品受領問題の影響で地元同意が得られるかは不透明。地元との関係ではさらに「令和2年を念頭に」としてきた使用済み核燃料の中間貯蔵施設の候補地選定期限も近づき、同県の杉本達治知事は「約束を守るのは信頼関係の基本」とクギを刺す。  原発への依存度が高い関電。原発事業でのつまずきは、長期的には電力供給や電気料金にも影響する。今秋は一つの正念場となりそうだ。(岡本祐大)

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(2020/10/04)