『鵞鳥湖の夜』“水浴嬢”をミステリアスに演じたグイ・ルンメイ 監督が明かす裏側(クランクイン!)

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 映画『薄氷の殺人』(2014)でベルリン国際映画祭金熊賞、銀熊賞(男優賞)をダブル受賞した中国の気鋭監督ディアオ・イーナン。5年ぶりとなる最新作『鵞鳥湖(がちょうこ)の夜』(現在公開中)でも、パルムドールを受賞した『パラサイト 半地下の家族』とともにカンヌ国際映画祭で大絶賛を浴び、アジア映画批評家協会賞では最優秀監督賞を受賞するなど国際的評価をますます高めている。ジャ・ジャンクー、ロウ・イエ、ワン・ビン、ワン・シャオシュアイらと並ぶ“中国第六世代”の鬼才として注目を浴びるイーナン監督に、作品の根幹に流れる自身のアイデンティティー、脚本の着想も含めた独特の映画表現、さらには2作連続で監督のミューズを務めた女優グイ・ルンメイの魅力について話を聞いた。 【写真】美しいドレス姿で登場したグイ・ルンメイ カンヌ国際映画祭にて  本作は、2012年の中国南部地方を舞台に、現代中国に巣喰う犯罪や社会の底辺で生きる人々の現実をあぶり出すノワールサスペンス。警官殺しで追われる裏社会の男チョウ(フー・ゴー)と、寂れたリゾート地・鵞鳥湖で水浴嬢として働くアイアイ(グイ)を軸に、警察の捜査チーム、バイク窃盗団らが交錯していくストーリーを描く。中国の暗部に切り込んだ本作は、本国チャートで初登場2位の異例ヒットを記録。1940~50年代ハリウッドで量産されたフィルムノワールに精通し、さらにはジャン=リュック・ゴダールやフランソワ・トリュフォーらヌーヴェルバーグ作家の影響も強く受けたとイーナン監督のシャープでモダンな感性が、スクリーンで躍動する。 ●映画は評論家のために作るものではない  前作同様、少し廃れた田舎町。追う者、追われる者が歪(ゆが)んだ底辺社会の中で、複雑に絡み合いながら出口を見いだそうとするさまが実に印象的な本作。イーナン監督はそういったシチュエーションの中にどんな思いを注いでいるのか。「人間は、選択と行動によって新しい時空を切り開き、そして選択と行動でしか自らの失敗した境遇を変えることができません。つまり、悪事を犯したとき、地獄を通って代価を払わなければ、自分を善に導き、理想的な人間にはなれない…私の根幹にはそういう考えが流れているのです」。  イーナン監督の映画は、過度な説明セリフやナレーション、音楽といったものが極力排除されている。まさに“映像の力”だけで全編

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(2020/10/04)