ラジオAM放送 維持か移行か 収入激減 設備更新に莫大コスト(産経新聞)

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【Radioの時代】  新型コロナウイルス感染拡大の影響で、在宅時のラジオや、ラジオ番組をインターネット配信する「radiko(ラジコ)」のながら聴きが増えているという。聴く人に寄り添い、地域の情報を提供し続けてきたラジオの魅力が見直されている。ところが、ラジオ局はテレビやネットメディアの台頭で広告収入が激減、老朽化した設備の維持費も経営を圧迫している。高コストのAM放送を停波し、FMに移行する議論も進む。ラジオが大きな転換期を迎えている。(渡部圭介) 【写真】AM放送とFM放送の違い  ■とまった放送  「放送がとまっている。会社に来てください!」  平成19年9月10日午後、宿直明けで帰宅後の大阪放送(ラジオ大阪、OBC)システム部、出羽盛彦さんの自宅の電話が鳴った。会社にいた同僚からだった。  会社では、堺市東区にある無人のAM放送の送信所から「停波」を知らせる通知が届いていた。  大阪市内の本社からすぐさま社員を現地に派遣すると、電源設備のヒューズが飛び、電波の送信システム全体が機能不全に陥っていたことが分かった。幸い電源設備以外は無事で1時間ほどで復旧できたが、その間は大阪全域と周辺府県のほとんどでOBCの放送が止まった。  ヒューズはなぜ、飛んだのか。当時、導入から30年近くが経過していた設備の老朽化が原因とみられている。現在、ほかの設備にも、昭和60年から使っているものがある。出羽さんはトラブルによる「停波」が今後も起こりうることを危惧する。「メンテナンスには努めているが、新しい設備に順次、更新できなければトラブルが起きる確率は高くなるでしょう」  ■業界の命題  海外まで電波が届くAMの送信施設は使用電力も大きく、規模も大きい。維持や更新には大きなコストが伴う。電波の特性から、アンテナ周辺の地中にはラジカルアースと呼ばれるケーブルを放射線状に埋めてあり、広大な土地も必要で、固定資産税や土地の賃料も大きい。  一方、AM局の経営環境は厳しい。日本民間放送連盟(民放連)の資料によると、AM局の営業収入はピーク時(平成3年)には2040億円に上ったが、近年は4割程度までに落ち込む。  毎日放送(MBS)ラジオ局の有貞直明編成部長は「放送を続けながら設備を更新しようとすると、かなり莫大(ばくだい)なコストがかかる。それに耐えられる体力

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(2020/10/03)