大混乱の証券業界 生き残りの条件「相場の話はしない」「売れる商品でも売らない」(NIKKEI STYLE)
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その本は浪川攻『証券会社がなくなる日』(講談社現代新書)。著者の浪川氏は電機メーカー勤務を経て記者になったベテラン経済ジャーナリストで、「Voice」「週刊東洋経済」などで活躍した後、フリーで金融分野を中心に取材活動を続けている。最近は銀行の将来に警鐘を鳴らす著作が続いていたが、今回はその対象を証券会社に据え、最前線の動きを追いながら、次の時代に存続する証券会社の姿を考察している。
「はたして、日本の証券業界はどのように変わっていくのか」。この疑問が本書の出発点である。まず第1章では、前提として、改革に取り組もうとしない証券業界の実態を整理する。続く第2章では、ダイナミックな変容を続ける米国の証券業界の動きを追いかける。「すべての人に投資へのアクセスを」を掲げて業容を拡大していく米ネット証券大手、チャールズ・シュワブをはじめ、顧客本位の方向に大きくかじを切った業界が活力に満ちた競争を繰り広げている世界が活写される。