新型コロナで異例のシーズン、日本選手権を制したのは桐生(産経新聞)
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陸上の日本選手権第2日は2日、新潟市のデンカビッグスワンスタジアムなどで行われ、男子100メートル決勝で桐生祥秀(日本生命)が優勝した。
新型コロナウイルスに揺れた異例のシーズン、日本一の称号を手にしたのは桐生。タイムは10秒27だった。
決勝のスタートラインに立つまで、桐生ら各選手には試行錯誤があった。
桐生は外出自粛期間中、食事の仕方を変えた。これまでは昼食を一番多く食べていたが、朝食を多くして夜に向けて徐々に減らす形にし、体重が増えすぎないようコントロールした。決勝の舞台ではしっかり勝ち切り、「良かった」と声を弾ませた。
一方、ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)は春先、コロナの感染拡大により合宿先の沖縄からしばらく移動できず、3月末に帰京してからも近くの河川敷で黙々と走るしかなく二位に終わった。
小池祐貴(住友電工)は当初、「『シーズンの体』にならない」と戸惑っていた。大会が次々と中止や延期となり、状態を合わせられなかった。焦らず心技体を組み立て直し、「しっかり力を出せた」と実感できたのは今大会からだった。
多田修平(住友電工)は走りが変わってしまったと感じたという。競技場が使えない期間、アスファルトで練習。「反発をもらうトラックと違って、足で蹴る走りになって肩に力が入っていた」。リラックスを心掛け、ようやく持ち味の軽く鋭い加速を取り戻した。
今大会は感染拡大防止のため、観客は2千人までに制限され、例年と比べて寂しい雰囲気だったことは否めない。それでもスポーツが全くできなかった半年前を考えれば、日本一を見据えトラックで競えたことに大きな価値があった。(宝田将志)