桐生凄み増し必然の王者、失敗突き詰めムラ消えた(日刊スポーツ)

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<陸上:日本選手権>◇第2日◇2日◇新潟デンカビッグスワンスタジアム◇男子100メートル決勝 【写真】男子100mで優勝した桐生(中央)。左は2位のケンブリッジ、右は3位の小池 桐生祥秀(24=日本生命)が大接戦を制した。向かい風0・2メートルの決勝で10秒27。100分の1秒差でケンブリッジ飛鳥(27=ナイキ)に競り勝ち、東洋大1年時以来、6年ぶり2度目の優勝を果たした。期待された記録は不発だったが、見事に勝ちきった。気持ちよくシーズンを締め、東京五輪が行われる来季へ向かっていく。    ◇   ◇   ◇ 過去に接戦に弱いとも称された、桐生の姿はもう完全になかった。最後の大接戦。必死に胸を突き出し、フィニッシュラインを超えた。ケンブリッジを100分の1秒差で振り切った。勝利を確信すると、スタンドの拍手に両手を上げた。「優勝できてよかった。タイムよくなかったが、勝ちきることが大事」。接戦の状態が反る悪癖は出ない。オーロラビジョンに映ったのは、満面の笑みだった。 今の桐生にはレース後に行う事がある。取材の場で、絶対に「反省点」を述べるよう心掛ける。「失敗をそのままほっとくと成長しないじゃないですか」。実戦の中でしか出てこない改善点をうやむやにせず、言葉にすることで頭を整理する。失敗に背を向けず、伸びしろを探していく。「失敗を直す練習が楽しい」と話す。前日1日の準決勝では左右の足幅を広げた新スタートで「思いっきりこけた」が、見事に立て直しに成功。決勝は出足が鋭かった。 練習の姿勢にも、過去にはなかった心掛けが見える。1本走る毎に、コーチが撮影した動画を確認する。今まで無頓着だった細かな部分の追求-。それが記録の安定につながっている。まだ9秒台こそ、17年9月の1度だけだが、もう10秒0台は過去に21度目も出している。うち11度は、この2シーズン。昔のように爆発力の反面、記録にムラがあった姿はない。高3で10秒01を出した頃から伸び悩んでもいない。数字を見れば、内容、充実度は一目瞭然だ。技術のズレも突き詰めていき、凄みを増している。当然、勝負強さも備わった。東洋大1年時以来、遠ざかっていた日本選手権のタイトルも、必然と言える結果だった。 会場の洛南高2年時の12年全国高校総体以来で無冠に終わった場所だった。「勝ち切れて、いい思い出になった」。4年前のリオ五

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(2020/10/02)