楽天、5Gサービス発表も課題山積 無料でも利用者広がらず(産経新聞)

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 楽天は第5世代(5G)移動通信システムの商用サービスを開始したことで、ようやく携帯大手3社と肩を並べた。4Gからの上乗せがない格安プランを楽天から突きつけられた大手は、政府からの圧力も踏まえた値下げ対応を迫られる。ただ、楽天は1年間無料の4Gですら契約が伸び悩み、5Gは有料にできるサービス水準に届かなかったのが実情だ。楽天は4Gサービスで消費者に受け入れられない限り、5Gによる成長も取り込めない。  「とにかく、シンプルに、ワンプランを目指す」  楽天の三木谷浩史会長兼社長は記者会見でこう強調した。4月に開始した楽天の自社回線サービスは通信速度も携帯大手3社と遜色なく、技術的には一定の成功を収めている。MMD研究所の調査では、料金の分かりやすさなどで、利用者の約8割が「満足」と回答した。三木谷氏は「タダで5Gを提供しようと清水の舞台から飛び降りるつもりで決めた」と強調。大手3社に対する政府の携帯電話の値下げ圧力を追い風に、寡占市場に切り込む起爆剤にしたい考えだ。  ただ、三木谷氏の強気とは裏腹に、利用者の拡大は思うように進んでいない。楽天は6月末に契約申し込み数が100万回線を突破したと発表したが、事務手続きの遅れもあり、総務省の統計では、同時点での利用者数は56万回線だった。12月末までに300万回線契約の目標を掲げるが、楽天モバイルの山田善久社長は「正直、まだ射程圏外」と苦しい胸の内を明かす。  6度も行政指導を受けた企業体質や自社回線エリアの狭さなどが消費者に敬遠されているとみられる。  NTTがドコモの完全子会社化を決め、KDDI(au)も系列の格安ブランドを統合するなど、携帯大手は値下げへの布石を打っている。格安スマホ事業者も値下げなどの料金プランの強化を進めており、“楽天包囲網”は着実に狭まっている。  楽天のカギを握るのは、自社の格安スマートフォンサービスの契約者だ。格安スマホの楽天モバイルは200万回線規模だが、MMD研究所によると、移行したのは10数%にとどまっているという。三木谷氏は「高速で未来を感じていただけるサービスを提供したい」と述べたが、利用者拡大の有効策を打ち出せなければ、せっかくの5Gも宝の持ち腐れとなる。(高木克聡)

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(2020/09/30)