4人死亡の工場火災 危険物80トン以上保管か(静岡県)(静岡放送(SBS))
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2020年7月、消防隊員や警察官など4人が亡くなった吉田町の工場火災で現場に改めてカメラが入りました。消防庁に危険物と判定された製品に含まれる過炭酸ナトリウムがこの工場の倉庫に80トン以上保管されていたことがSBSの取材で明らかになりました。
9月28日、SBSのカメラは4人の命が奪われたレック静岡第2工場内に入りました。焼けた建物の中は電気の明かりなどはなく、ラインなどが置かれた北側の工場部分はとても暗い状況でした。
<工場担当者>「(危険物として特定された過炭酸ナトリウムはどちらにあったのでしょうか?)ここですね。ここに2トンありました。この場所に。パレットにフレコン状態で1トン。それを2段に積んでいたんですね」
4人の命が失われた火災をめぐっては、工場内に置かれていた製品の原料などについて消防庁が試験を行った結果、「過炭酸ナトリウム」が消防法の「危険物」にあたると判定されました。過炭酸ナトリウムは家庭で使う漂白剤などに含まれている燃えない物質ですが、熱が加わって分解されると酸素を発生させて火災を広げる恐れがあります。
<伊豆川洋輔記者>「何らかの原因でここから起きているということに関してはどうお考えですか?」
<工場責任者>「うーん。それは原因かはわからないので確認してないので何とも言えないですね」
今回の火災では、工場内で爆発的な延焼が起こったとみられていて、工場内の過炭酸ナトリウムが発生させた酸素が爆発的な延焼を引き起こしたおそれがあります。さらに、この過炭酸ナトリウムは工場内だけでなく、倉庫に83トン保管されていたことが関係者への取材で新たにわかりました。83トンのうち47トンは消防庁がすでに危険物と判定している製品の原料で、残りの36トンは危険物と判定された製品と同じ内容物の製品だということです。法律では、今回、危険物と判断された過炭酸ナトリウムを50kg以上、工場などで保管する場合、消防の許可が必要です。
<工場責任者>「(安全と思って使っていた?)安全と聞いて工場内に入れている」
レック側は、SBSの取材に対し2つのメーカーから仕入れていた過炭酸ナトリウムはコーティングなどの処置が施された危険物にはあたらない品質のものだったと理解しているとしています。