原発、11月初旬に運転1基に テロ対策遅れや定期検査 料金値上げ懸念も(産経新聞)

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 原子力発電所の運転が11月初旬に1基のみとなる見通しになった。司法判断による運転差し止めやテロ対策施設の完成遅れなどが原因で停止が相次いでいるためだ。原発の稼働が停滞すれば、火力発電への依存度が高まり、二酸化炭素(CO2)の排出が増えかねない。長引けば電気料金の値上がりも懸念される。  東京電力福島第1原発事故の直前には全国で計54基の原発が稼働。事故後は原子力規制委員会による厳しい新規制基準が設けられ、審査に合格した原発9基が再稼働したが、現在はそのうち6基が停止している。  四国電力伊方原発3号機(愛媛県)は1月に運転を禁止する広島高裁の仮処分決定を受け、停止が続いている。九州電力川内1号機(鹿児島県)は3月、川内2号機は5月にそれぞれ航空機衝突のようなテロ行為があっても大事故になるのを防ぐ「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の対策遅れで停止。このほか、関西電力高浜3号機(福井県)も止まっている。  現在稼働中の3基のうち、関電の高浜4号機は10月にテロ対策と定期検査のため、大飯4号機(福井県)は11月初旬に定期検査で稼働を停止する予定だ。関電は8月に配管に傷を示す信号が確認されて停止した大飯3号機で早期の運転再開を目指しているが、めどが立っていない。このため、11月初旬にも国内で稼働する原発が九電玄海4号機(佐賀県)のみとなる。  原発は水力や太陽光、風力発電などの自然エネルギーと同様に発電時にCO2を排出しない。原発の稼働が止まれば、「(火力など)CO2の出る電源を多く回すことになり、問題がある」(電気事業連合会の池辺和弘会長)と危機感が強まっている。  原発1基が稼働しなければ「代替電力として活用している液化天然ガス(LNG)や石炭などの燃料調達代が発生するため、1日およそ1億円の損失」ともいわれる。この稼働状況が長期化すれば、電気料金の値上がりも現実味を帯びる。  政府は現状のエネルギー基本計画で令和12(2030)年度に総発電量に占める原発の割合を20~22%にする目標を示すが、足元では6%程度にとどまる。来年7月にも次期計画が公表される見通しだが、これまで通り理想を追うのか、実情を踏まえて現実的な目標に見直すのか、日本のエネルギー政策の新たな方向性が注目されている。(飯田耕司)

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(2020/09/27)