親の終の棲家をどう選ぶ?|義父母の呼び寄せ。一番近くにいるのだから仕方ない(サライ.jp)

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しかし、いっそう義母の症状が進み、硬膜下血腫が判明。入院・手術が決まったとき、井波さんは夫と話し合った。 そしてこれ以上2人で暮らすのは無理だという結論に至ったものの、夫は両親を自分たち家族の近くに呼ぶことにすぐには納得しなかった。 「『三男なのになぜ自分が?』という迷いもあったのかもしれません。それでも私たちが一番近くにいるのだから仕方ないとあきらめたんでしょう。それから2人の義兄に相談しました。長兄は長男という責任も感じていたらしく、我が家近くの施設を探して入れることに賛成してくれただけでなく、『もし義父母が抵抗したら、自分が説得するから、施設探しはよろしく頼む』とまで言ってくれたので、頼もしかったのを覚えています」 そして見つかったのが、現在義父母が入っているサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)だった。井波さん夫婦がサ高住を見学したあと、義母が体験入居するときには義兄2人も来てくれて、皆で施設の様子を見たという。 サ高住に入るのに、長兄が義父母を説得する必要はなかった。義母は硬膜下血腫の手術のあとだったため、まだ少しボーっとしていたせいかもしれないと井波さんは考えている。 義母の手術の間、老人保健施設にショートステイしていた義父も、しばらく遅れてサ高住に移った。 「体験入居のような形で入って、そのまま入居してもらいました。義父も私たちには何も言うことはありませんでしたが、スタッフには『なぜこんなところにいるんだ。家に帰りたい』と言い張ったらしいです」 しかし、義父は井波さんに「家に帰りたい」と訴えることはない。 井波さんが面会に行くと、いつも他愛もない話をして、ひとりきり話をしたあと、井波さんが帰ろうとすると「来てくれてありがとう。また来てね」と言ってくれる。 「だから、義父のところに行くのは、私の癒しになっています」 【4】に続きます。 取材・文/坂口鈴香 終の棲家や高齢の親と家族の関係などに関する記事を中心に執筆する“終活ライター”。訪問した施設は100か所以上。20年ほど前に親を呼び寄せ、母を見送った経験から、人生の終末期や家族の思いなどについて探求している。

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(2020/09/27)