映画『イサドラの子どもたち』:100年前の伝説のダンスが現代女性の身体によみがえる(nippon.com)

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それから100年以上の時を経て、現代社会に生きる4人の女性が『母』と向き合う姿を追ったのが『イサドラの子どもたち』だ。年齢や境遇もさまざまの、異なる身体をもつ女性たち。女優のアガトは、イサドラの自伝と舞踊譜をもとに『母』のダンスを再現しようとする。ダウン症のダンサーであるマノンは、振付師マリカと対話を重ね、新しい『母』を共作していく。最後の一人はアフリカにルーツをもつ年配の女性エルザ。『母』の公演に深く心を打たれて家路についた彼女は、自らの記憶と重ね合わせるように、そのイメージを全身で反芻(はんすう)する。 ダミアン・マニヴェル監督は4人の女性たちをカメラで追いながら、静謐(せいひつ)な映像詩を紡ぎ上げ、第72回ロカルノ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞した。日本でプレミア上映されたのは、昨年の山形国際ドキュメンタリー映画祭だ。 「僕の作品は、ドキュメンタリー的な手法を用いてはいますが、あくまでフィクションなんです。登場人物たちの人生にインスパイアされて物語を描くのです。今回の作品では、イサドラ・ダンカンが僕にインスピレーションを与えてくれました。彼女と心を通わせながら、映画を作っていったような印象です」 映画作家になる以前にダンサーだった監督にとって、型破りな激情のアーティストだったイサドラ・ダンカンは、どこか恐ろしい存在だったという。 「彼女のダンスは、わずか5、6秒ほどの短い映像しか残っていません。それを見ただけで、彼女がどれほどダンスに取り憑かれていたのかが分かります。天才なんです。僕は自分とまったく違う人物に興味を引かれます。時間をかけて、彼女のことを少しずつ理解していきました」 ある日、振付師の友人を通じて、イサドラ・ダンカンに『母』という作品があり、その背景に彼女が子どもを事故で失くした悲劇があったことを知る。 「とても奇妙なんですが、彼女から話を聞いた瞬間に、これがどんな映画になるか、見えたような感じがしたんです。この発見を待っていたんだと。僕が映画を作るには、驚きや感動といった外からの刺激が必要なんです。それが『母』だった。常に何らかの出会いが外からやってきて、僕の感情と交じり合うことで、作品が生まれるんです」

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(2020/09/27)