相次ぐひき逃げ事件 なぜ加害者は… 警察、専門家に聞く(@S[アットエス] by 静岡新聞SBS)

【リンク先抜粋】
 静岡県内で9月に入り、ひき逃げ事件が相次いでいる。ひき逃げで科される量刑は重く、検挙率も極めて高いが、なぜ加害者は現場から逃げてしまうのか。県警と専門家に取材すると、飲酒運転だけでなく焦りや怒りなど心理面で誰でもひき逃げ事件を起こしうる要因が浮かび上がった。  県警交通指導課などによると、9月1~26日に県内で発生したひき逃げ事件は11件で、前年同月1カ月間の7件を超えている。静岡市清水区では6日夜、同区の女(76)が乗用車を運転中、路上を歩いていた女性(79)をひいて死亡させ、逃走した。容疑者の女は飲酒運転の疑いもあり、清水署が捜査を進めている。掛川市でも10日朝、乗用車を運転中の女(26)がミニバイクの男性(62)に衝突し軽傷を負わせ、そのまま逃走するひき逃げ事件があった。  県警交通指導課によると、今年1~8月に摘発したひき逃げ事件のうち、逃げた理由について容疑者の供述は「事故と気付かなかった」が17件で最も多く、「飲酒運転だった」の8件の2倍以上になった。多くのひき逃げ事件の現場で、容疑者は人身事故と判断できなくても何らかの異変には気付いていたと考えられる。立正大の西田公昭教授(社会心理学)は「飲酒はもちろん、焦りや怒りなどの感情も人間の思考能力を低下させる。物事を冷静に考えられず、逃げられる可能性が頭に浮かんだのでは」と容疑者の心理状態を分析する。  掛川市でひき逃げした疑いの女は中東遠総合医療センターの医師で、事件現場は職場のすぐ近くだった。他人の生命を預かる立場の医師がどうして救護義務を怠ったのか。捜査関係者によると、女は出勤途中で、「急いでいた」という趣旨の供述をしているという。  どんな理由であれ、ひき逃げは許されない。飲酒運転の撲滅とともに、心理面からひき逃げの加害者にならないためにはどうしたらいいか。西田教授は「強く印象に残っている記憶は意思決定に大きく影響するため、事故を起こした時の正しい行動手順を日頃からイメージすることが大切」と呼び掛ける。

続きはこちら

(2020/09/27)