ドンキは「大人の店」になり、若者から見向きもされなくなっているのか(ダイヤモンド・オンライン)
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今一度、その言葉を検証するために店舗を訪れたのだが、確かに客層は、明らかに中年やシニア層の人が多いようだ。
「そりゃ高齢者層が増えているのだから仕方ないだろ」といわれそうだが、筆者には“ドンキは若者の店”という印象が強く、様変わりしたドンキには改めて驚かされた。
● 20年6月期決算は 増収増益と好調だが…
ドンキの20年6月期決算は増収増益と好調である。
31期連続の増収増益というから、「さすがドンキ、相変わらず若者に支持されているのか。やるじゃないか」と思っていたのだが、内容を精査すると、やはり、ちょっと様子が変なのだ。
その理由は明白。業績を維持したのはひとえに、買収した総合スーパー(GMS)のユニーに助けられているからだ。
そのユニーの好調も、いわゆる新型コロナウイルスの感染拡大による巣篭もり需要、内食需要を取り込んだためだ。
● 焼き芋よりも少ない 現在のインバウンドの売上高
純粋なドンキを中心としたディスカウント事業の営業利益は前期比4.6%減。既存店の売上高、客数も鈍化傾向にあるがドンキ業態はこれまでインバウンド(訪日外国人)需要の取り込みに力を入れてきたことが仇(あだ)となった。
そのインバウンドの売上高は、前期は売上高の約1割程度あったが、現在は店頭で販売している「焼き芋の売上高よりも少ない」(同社)という壊滅的な状況だ。インバウンドが雲散霧消状態となれば業績に響かないわけがない。
「インバウンドの激減も一過性であり、インバウンドが戻れば業績も回復する」とドンキファンのお叱りを受けそうだが、インバウンドは確かに何年後かに回復する可能性はある。
だが、業績をよく見るとかつてのような「ドンキ業態」の伸びも見られない。既存店の売上高が落ち込んでいるのだ。