1327万円のアウディは“高級車”を変えるのか? 新型e-tronスポーツバックの本気と実力(GQ JAPAN)
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アルミニウム製ボディや4WDシステム、フラッシュサイド・ボディなど、アウディは乗用車の世界でさまざまな技術を定着させ、新しい常識に変えてきた。
しかし純電気自動車の量販化については、長いあいだ躊躇しているように見えた。スーパースポーツカー「R8」をベースとする2009年の「R8 e-tron」を端緒にコンセプトカーを度々発表し、ルマン24時間やフォーミュラEなどコンペティションでも世界一を獲得。電動化の旗印である「e-tron」の名は多くの人が耳にするようになったが、量産EVの市場投入ではライバルメーカーに後れをとっていた。
アウディ初の量産EVである「e-tron」は2018年9月、ようやく欧米市場で発売された。乗用車のCO2低減にはディーゼル化で対応することを主張してきたアウディは、ハイブリッドで優位に立つトヨタや純EVで先行したテスラに比べ電動化を先延ばしにしていた。カリフォルニア州を起点に強化されてきたゼロ エミッション車規制を考えれば、本来はほかのプレミアムブランド同様、もう少し早いタイミングで対応すべきだったが、2015年に突如勃発したディーゼル車の不正疑惑によるアウディブランドのイメージ低下で、マーケティング戦略上、懐で温めていたEVを投入しにくくなってしまったのでは、と、筆者は推察する。
それからちょうど2年、それとほぼおなじメカニズムにクーペ型ボディをまとった「アウディ e-tron スポーツバック」が日本にやってきた。
GQ Carsでこのクルマをきちんと紹介するのははじめての機会になる。“MLB”と呼ばれる中・大型車用の基本骨格をベースに、「Q5」と「Q7」の中間くらいの長さと幅、しかしじゃっかん高さを抑えた流線型ルーフを持つボディが与えられた。
パワーユニットは前後のタイヤをそれぞれ駆動する2モーター式で、合計最大出力は300kW(408ps)。95kWhという大容量のバッテリーが搭載され、交流200VとCHAdeMO規格の急速充電に対応、WLTCモードで405kmの航続が可能となる。NCSのネットワークを利用した充電ステーションの利用が1年間は無料だ。
装備面では車間と車線を保持する「アダプティブ・クルーズ・アシスト」をはじめとする自動運転支援機能の数々を標準で搭載するほか、カメラとモニターによりサイドミラーの役割を果たす「バー