【コラム】「女好きで素行が悪い」そんなイメージだったブラジル人がラ・リーガに起こした“化学反応”(SOCCER DIGEST Web)
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「ブラジル人は酔っ払いで、夜は踊り狂い、度を超える女好きで、とにかく素行が悪い」
実は1990年代に入るまで、スペインではこんな噂が信じられていた。イメージを極端にしたものだろう。その昔、「日本人は、男はちょんまげで、女は芸者」という”時代錯誤の誤情報“が流布されていたのと同じ種類のものだ。
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当時、ラ・リーガには一部ブラジル人選手が入ってきても、ほとんど活躍できていなかった。
パイオニアになったのは、デポルティボ・ラ・コルーニャで活躍するようになったマウロ・シルバだと言われる。真面目で規律正しく、プレーの質も高ったことで、ブラジル人選手全体が見直された。次々にマーケットが開かれていった。その後、ロマーリオ、ベベット、ロベルト・カルロス、ロナウドなどが次々に入ってきた。
その結果、リーガは一気に華やかになった。サンバのリズムというのか。その明朗なテクニックは、刺激を与えることになったのだ。
最も顕著なのが、バルセロナだろう。ロマーリオ、ロナウド、リバウド、ロナウジーニョ、そしてネイマールとブラジル人ファンタジスタを取り込むことで、特殊なパスサッカーを革新させてきた。ブラジル人の独特なテンポやひらめきを、触媒にしたのだ。
とりわけ、ロナウジーニョの存在感は際立っていた。自由奔放。気が向くままにボールを弾く姿は、スペクタクルと同義だった。バルサの攻撃的なフットボールと融合。サンティアゴ・ベルナベウで宿敵レアル・マドリーを相手に翻弄し、スタンディングオーベーションを受けた場面は、伝説として語り継がれるだろう。まさに、「ジョゴ・ボニート」(ポルトガル語で美しいプレー)だった。
今や、リーガの上位クラブは、多くのブラジル人選手を擁する。
昨シーズン、優勝したレアル・マドリーは、DFマルセロ、エデル・ミリトン、MFカゼミーロ、FWヴィニシウス・ジュニオール、ロドリゴとブラジル人選手が中核を担っている。ここ20年以上、ブラジル人選手の系譜は途切れていない。新たに獲得したレイニエールは「カカ二世」と言われ、2020-21シーズンはボルシア・ドルトムントへのレンタル移籍が決まった。
昨シーズンのチャンピオンズ・リーグで王者リバプールを撃破したアトレティコ・マドリ