トランプ氏、一転して承認 TikTok運営継続(産経新聞)
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トランプ米大統領は国内での中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の運営継続を一転して認めた。中国へのデータ流出の懸念から「閉鎖か、米企業への売却か」と迫ったが、安全保障上の懸念が払拭されたとして容認に転じた。だが米議員からは「弱腰だ」と批判が噴出。中国政府も、外国企業に対する規制強化を表明するなど対抗姿勢を崩しておらず、ハイテク分野をめぐる激しい米中対立は収束する気配がみえない。(ワシントン 塩原永久、北京 三塚聖平)
トランプ氏が承認した提携案では、ティックトックを運営する中国IT企業の北京字節跳動科技(バイトダンス)がグローバル拠点を米国に置き、オラクルなど米国企業の出資を受け入れる。当初求めた米国企業による完全買収ではないが、トランプ氏は19日に「中国とは関係がなくなる。完全に安全だ」と強調。利用者データの管理をオラクルが担う事業形態で、安全保障面の懸念は払拭されると理解を求めた。
だが、対中強硬姿勢で知られるルビオ上院議員らは「深刻な懸念が残る」との書簡をトランプ氏に送付。米企業による買収に至らない提携案に反対した。民主党大統領候補のバイデン前副大統領も「中国が所有するティックトックは真の脅威だ」として、当選すれば安保リスクを再検証すると約束した。トランプ氏はティックトックの米国新拠点が2万5千人の新規雇用を生み出すと強調したが、柔軟姿勢に転じたとバイデン氏から攻撃される可能性もある。
提携案は米国事業を含むティックトックのグローバル事業に米企業が影響力を持つ経営形態となるだけに、中国当局が提携案を承認するか注目されるが、同提携案が決着しても米中対立の緩和に直結する可能性は低いとみられる。
中国政府は、先端技術の海外移転に関する規制強化策に続き、19日には中国の主権や安全を損なうと判断した外国企業をリスト化して輸出入や投資を禁止・制限する新制度を発表した。中国商務省は20日、同制度は「特定の国家や組織に対するものではない」と米国への対抗措置だとの見方を否定する一方、「中国政府には必要な措置を取る権利がある。これは世界で普遍的なやり方であるだけでなく、良好なビジネス環境をつくるのに必要な措置だ」と新たな“制裁カード”であることを示唆している。