【記者手帳】「OECD平均」の落とし穴にはまった文在寅政権(朝鮮日報日本語版)
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韓国で国家債務比率を巡る論争が起こるたび、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政相は「OECD(経済協力開発機構)平均の国家債務比率は110%」という点を挙げて「韓国の財政健全性は極めて良好」と主張する。「OECD平均」は果たして適切な比較対象なのだろうか。
■韓国の家計債務比率が対GDP比97.9%で世界1位、日本は?
韓国政府が最近発表した2020-24年国家財政運用計画によると、韓国の国家債務の対GDP(国内総生産)比率は2024年には58.3%になる。今年のマイナス成長の可能性を考慮すると60%を超えそうだが、「OECD平均」に比べれば依然として良好な水準のように見える。
だがOECD平均を構成する加盟国の面々を調べてみると、安堵(あんど)感よりむしろ不安感の方が先立つ。低成長と国家債務急増が合わさるとどれほど危険な結果を生むか、反面教師にすべき国が相当数を占める。代表的な事例が、いわゆるPIIGS諸国(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)だ。2010年の欧州財政危機を引き起こしたこの国々が、「OECD平均国家債務比率」を引き上げている主犯だ。
リーマン・ショック後、ユーロ圏が低成長の局面に入る時点で、PIIGS諸国は急激に財政支出を増やして対応していった。単一通貨ユーロの盲点や貧弱な金融など複雑な内部事情を考慮するにしても、過度の財政出動だったという評価への異論は多くない。