シロクマにもペンギンにもコーチが必要(Hello,Coaching!)

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わたしは絵が大好きである。描くのが好きだし鑑賞するのももちろん大好きだ。 日本美術においては、特に江戸後期から明治初期まで個性豊かな画家たちがいて、光琳の装飾感覚、色使い、北斎の『富嶽三十六景』、暁斎の遊び心溢れる動物画、いくら観ても飽きないのである。 しかし、近代になるどうも素直に好きなれない作品が多い。青木繁の『海の幸』は不気味だし、萬鉄五郎の『裸体美人』はどうみても美人ではない。そんな日本の近代美術を敬遠しているわたしを変えた、一枚の絵がある。 それは、山口蓬春の『望郷』である。 http://www.hoshun.jp/works4_6.jpg 青空と日食、氷の大地に黒い穴が開き、その穴の近くに大きなシロクマがドカーンと座っている。シロクマは日食を見上げるのではなく、空の違う方向を眺めている。また、口元には、寂しげな微笑みが浮かんでいるようだ。そして、シロクマの遠い後ろには、小さなペンギンが2羽。彼らもシロクマと同じ方向を眺めているように見える。 この絵を見た瞬間に、わたしの心にドスンと大きく鈍い衝撃があった。そして、その情景は目に焼き付いて、忘れられないものとなった。 「これって日本画なの? 本当は今時の人が描いたイラストじゃないの?」 「なんで北極のシロクマと南極のペンギンがいっしょにいるの?」 「日食なのに、だれも見てないじゃないの!」 「望郷って、だれがどこの故郷を思いはせているの? 北極? 南極? それとも地球?」 突っ込みどころが満載である。 この絵はシンプルな色彩にもかかわらず、複雑で鮮やかな世界観を示しているような気がして、見れば見るほど、心惹かれていく。そして、眺めているうちに、このシロクマは、もしかしたら蓬春の自画像かもしれないとふと思った。

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(2020/09/18)