新入幕の翔猿が5勝目 しこ名通りの機敏な動き(産経新聞)
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幕内にまた一人、生きのいい小兵力士が加わった。175センチ、131キロの翔猿(とびざる)。由来は「申(さる)年生まれで、動きが猿みたいだから」。しこ名に違わぬ機敏な動きで、連日館内を沸かしている。
この日は同じ新入幕の豊昇龍戦。立ち合いから小刻みな突きの応酬になった。頭を低くし、細かく足を動かしてバランスを保つ。一瞬後退した相手が慌てて重心を前に傾けたところで、左に開いて突き落とした。「今日も前に出られたのでよかった」と胸を張った。
埼玉栄高、日大という名門を経て追手風部屋に入門した。押し相撲を武器に25歳で十両に昇進するまでは順調だったが、そこから足踏み。体格差やけがに苦しみ、「もう幕内に上がれない」と悩んだこともあるという。
それでも大栄翔、遠藤ら同部屋の実力者にもまれ、じっくり成長した。一人黙々と稽古できるタイプでもある。100キロに満たない炎鵬ら自分より小柄な力士の活躍にも奮起し、28歳で新入幕を果たした。
端正な顔立ちで目立つのは好き。新調した鮮やかな青系の締め込みは「誰もしてなさそうな色なので」と選んだ。取り口でも視線を集めようともくろんでおり、場所前は「トリッキーな(奇をてらった)相撲を見せたい」と話していた。
早くも全勝が消え、5勝1敗でトップに立った。「自分らしい相撲を取っていきたい」と、守りに入るつもりはない。思惑通り注目度は高まっており、ますます力を発揮しそうな気配だ。(浜田慎太郎)