アカデミー賞、作品賞の選定に新たな基準を導入 キャストやスタッフにマイノリティ起用を求める(ELLE ONLINE)
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現地時間9月8日(火)にアカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは声明を発表、2025年に開催される予定の第96回アカデミー賞授賞式から作品賞の選考に関して新しい基準を導入することを明らかにした。「映画の観客たちの多様性をより反映させるために、スクリーン上でもスクリーンの裏側においても公正な表現を促す」ことを目的に、後述の4つの基準を満たしているかどうかを確認し、作品を選定するとしている。
基準を見るとわかるように作品のストーリーだけでなくキャスト、スタッフ、さらに宣伝や配給、資金の調達に至るまで映画作りのすべてのフェーズに人種的/民族的マイノリティ、女性、LGBTQ+、身体に障害を持つ人が関わることが求められている。またこれらのマイノリティをインターンシップや有給の実習生として採用し、将来的な雇用のチャンスも提供するよう求めている。
アカデミー賞のノミネート作品は、ロサンゼルス郡内の映画館で連続7日以上の期間で最低1日に3回以上上映されたもの。ごく限られた地域のアメリカ人の観客向けに配給されるものであるため、本来の多様性はそもそも低い。またこれまで多くの映画やドラマで描かれてきたように、ハリウッドの製作陣は一部の人種、ジェンダーに偏っていることも確か。それによりマイノリティが資金を得ること、配給ルートを確保すること自体阻まれてきた。今回の決定は基準を課すことでオスカーは映画作品というよりも映画ビジネスにおけるインクルージョンを促そうとするもの。ハリウッドの内輪向けの夕食会から始まり、いつの間にか一大ビジネスになってしまった映画賞の大きな改革が、今後映画界にどのような影響を与えるのか注目したい。