メジャーで始球式に立った岸信介 未完に終わった安倍首相の“祖父超え”(日刊ゲンダイDIGITAL)

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【メジャーリーグ通信】  安倍晋三内閣が終わりを迎える。  通算で約8年8カ月にわたって首相を務めたことは、政策の内容や政権運営の適切さの是非を問わず、日本の憲政史上最長となる記録として長く人々の記憶にとどまることだろう。  また、第2次政権の発足以降は「理屈は後から貨車でやって来る」という政界の格言を実践するかのように衆議院の解散総選挙を重ね、衆参合わせて6回の国政選挙に勝利することで権力の基盤を強化し続けた。しかも、今回の辞任の表明によって支持率を上げるのだから、強運さも持ちあわせていることになる。  だが、惜しまれつつ退陣するかのようにみえる「歴代最長不倒記録を作った首相」も果たせなかったことがある。大リーグ公式戦での始球式だ。「たかが始球式じゃないか」という声が聞こえるようだが、首相に復帰して以来の安倍の足跡を振り返ると大事な一点を欠いていることが分かる。  安倍が祖父である岸信介を尊敬し、首相としてのあり方を模倣していることは周知の通りだ。安全保障を中心とした日米関係の重視や憲法改正の提唱による求心力の維持だけでなく、「首相の進退は一人で判断するもの」という点まで含めて、両者の姿は多くの場面で重なる。  爽やかな弁舌と崇高な理念を示すことで支持を集めたオバマ時代は、日米首脳の関係は必ずしも良好ではなかった。しかし、ドナルド・トランプが大統領に当選すると、主要国の首脳として最初に表敬訪問したこともあり、トランプと安倍は「シンゾー」「ドナルド」と呼び合うほど緊密な関係となる。ゴルフを楽しむ様子を誇示して日米関係の良好さを強調する様子の奥には、ドワイト・アイゼンハワーとの「ゴルフ外交」を進めた岸の姿が見え隠れする。  岸が1957年に訪米した際にアイゼンハワーとのゴルフだけでなく、ヤンキースタジアムでのヤンキース対ホワイトソックス戦で日本の現職の首相として初めて始球式を行ったのは、日米球界で画期的だった。  それだけに、訪米時に始球式を行うことは祖父の軌跡を忠実にたどるための重要な要素となる。また、トランプと並んで大リーグの試合を観戦すれば、日米関係の強さを内外に印象付けるだけでなく、一人でヤンキースタジアムに臨んだ祖父を超えることになる。  しかし、トランプは観客から罵倒されることを避けるため、大統領に就任した後は始球式だけでなく球場に姿を見

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(2020/09/08)