金星の雲に存在するかもしれない生命のライフサイクル(sorae 宇宙へのポータルサイト)

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Sara Seager氏(MIT:マサチューセッツ工科大学)らの研究グループが想定したのは、硫酸を主成分とした金星の雲を構成する水滴の中に生息する仮想の「微生物」のライフサイクルです(あくまでも仮想であり、実際に見つかったわけではありません)。研究グループでは、金星の大気は摂氏25度における相対湿度が約0.07パーセントに相当するほど乾燥していることから、生命が存在するのであれば水滴に含まれる水(体積比で平均15パーセント、残りは硫酸)を利用するだろうと考えています。 研究グループが示した仮想の微生物のライフサイクルを簡単に説明すると、以下のようなステップを繰り返すとされています。 1. 金星の雲の下、もやが立ち込める高温の大気中では「胞子」の状態で休眠しながら浮遊。 2. 上昇気流に乗った胞子が増殖に適した気温の層へと運ばれる。 3. 胞子を凝縮核として水滴が形成され始め、条件の整った胞子が休眠から目覚める。 4. 目覚めた微生物は成長し続ける水滴の中で増殖する。 5. 大きく成長して重くなった水滴はやがて落下。温度の上昇と水滴の蒸発が細胞分裂と胞子の形成を促す。小さな胞子は地表へ落ちることなく、もやの層を浮遊する。 研究グループによると、金星の大気中には地球の生命に欠かせない6種類の元素(水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄)が二酸化炭素、窒素分子、二酸化硫黄などの形で存在しており、不足している金属元素も地表から舞い上がった塵から得られる可能性があるといいます。また、大気中の微生物は太陽からの豊富なエネルギーを利用した光合成を行うはずであり、金星の雲に存在するとされる未知の紫外線吸収物質との関連性を研究グループは指摘しています。 ただし、雲を構成する水滴は成長すると重くなるため落下してしまいます。研究グループによると、金星の高度48~60kmは生命の存続も可能とされているものの、これよりも低い高度では気温の上昇にともない水滴も蒸発してしまうため、何らかの手段で過酷な環境を乗り切る必要があるとのこと。研究グループは乾眠状態に入ることができるクマムシなどの地球の生物を例に、微生物が胞子を形成して高温の大気中を休眠状態のまま浮遊し、上昇気流に乗って再び雲が形成される高度に運ばれるまで待ち続けることを想定しています。 とはいえ、気温や気圧が生命の存続を許す条件

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(2020/09/07)