常識やスタイルにこだわらない!“おもしろい”を追求し続けた「マッドマックス」3部作(MOVIE WALKER PRESS)

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メル・ギブソンの本格デビュー作にして、当時マイナーだったオーストラリア映画の実力を世界に知らしめた「マッドマックス」シリーズ。激しいアクションと文句なしの面白さで“近未来SF”を人気ジャンルに押し上げた革新作は、製作費わずか3,000万円台(現レートで換算)という低予算映画としてスタートした。 【写真を見る】無法地帯と化した近未来、マックスと暴走族の熾烈な戦いが繰り広げられる(『マッドマックス』) 記念すべき第1作『マッドマックス』(79)は、犯罪が多発しているいまから数年後の物語。パトカー警官マックスが、妻子を襲ったバイカー集団に復讐する姿が描かれる。司法が機能しなくなったこの時代、悪党どもはわがもの顔でのし歩き、取り締まる側も生死を問わず制圧が最優先。地平線まで一本道で、車とバイクが壮絶な死闘を展開する。本作のカーアクションのポイントが怖さ。高速走行しながら車間距離を極端に詰め、バンパーをガンガンぶつけながら威嚇するなど、その荒々しさは爽快さを前面に出すハリウッドとは一線を画している。 ただし映画の演出そのものはオーソドックス。低予算映画はあえて“粗雑さ”を売りした作品が少なくないが、ミラーは教科書的なモンタージュを駆使して恐怖を盛り上げている。代表的なのがマックスの妻子が襲われるくだりで、間接描写と細かいカット割り、音楽だけで最悪の結果を描写。カーアクションも、シーンに応じて車載カメラの高さを細かく変えており、そんな細部の工夫を見るとまた違った魅力が見えてくる。 『マックマックス』の国際的な成功でハリウッドから監督依頼が舞い込む中、ミラーが長編2作目に選んだのが続編『マックマックス2』(81)だ。今作では、愛車インターセプターで放浪していたマックスが、ならず者集団からコミューンの人々を守る姿が描かれる。 まず度肝を抜かれるのがその世界観。前作は荒んでいたが、人々は社会生活を営んでいた。ところが今作は、最終戦争により社会どころか文明まで崩壊した荒野が舞台。通常、続編は前作の基本設定を踏襲するのがお約束だが、ミラーは主人公マックス以外の要素(愛車さえも!)をばっさり削除。そんな攻めのリセットが、結果マックス伝説を加速させた。 今作でマックスが対峙するのは食糧、ガソリン、女を求め略奪や殺戮を繰り返す凶悪集団。何でもありな設定が、理想的な弱肉強食ワール

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(2020/09/07)