WTO次期事務局選び難航必至 絞り込み開始 米中対立が影(産経新聞)

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 【ロンドン=板東和正】世界貿易機関(WTO・本部ジュネーブ)は7日、空席となっている事務局長を選出するために、届け出を行った8人の候補者を段階的に絞り込む作業を開始する。WTOは非公開の協議を繰り返して候補者をふるいにかけ、11月上旬までの次期事務局長選出を目指す。現段階ではアフリカの女性2候補が優勢とみられているが、米中対立が貿易面などで激しさを増す中、来年までずれ込む可能性もある。  7日から始まる手続きは計3回のラウンドに分けられる。16日までの第1ラウンドでは候補者3人が脱落。第2ラウンドではさらに3人が除かれて2人の候補者に絞られ、第3ラウンドで最後の1人が決まる。事務局長の選出は合意形成を重視するため、原則、投票という形はとらず、計3回のラウンドで500近くの非公開の協議が実施されるという。  歴代の事務局長に女性やアフリカ出身者がいないことから、女性候補の、ナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相とケニアのモハメド元外相の2人が有力視されている。2001年のWTO加盟以来、世界経済の中で存在感を増してきた中国もアフリカへの投資を拡大しているという事情を背景に両氏が意中の候補とみられている。  ただ、WTOをめぐっては、中国がルール面で優遇される新興国として扱われているとして米国が改革を要求。このことが次期事務局長の選出を複雑にしている。  英紙フィナンシャル・タイムズによると、通商当局者は、米中が選出の過程で、一方が強く推す候補を他方が拒否する可能性が高いと予想。次期事務局長の選出が来年まで長引く恐れもあるとみている。  また日本政府は政治経験が豊富なオコンジョイウェアラ氏、モハメド氏を高く評価している。この面では中国と方向性がそろう形になっているが、最終的に米国の方針に合わせる可能性も指摘されている。  事務局長選には両氏のほか、女性候補として、韓国産業通商資源省の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長が名乗りを上げている。男性候補はメキシコのセアデ元WTO事務次長▽エジプトの元WTO高官のマムドゥ氏▽モルドバのウリヤノブスキ元外相▽サウジアラビアのトワイジリ元経済・企画相▽英国のフォックス前国際貿易相の5人。

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(2020/09/07)