ワクチン開発に躍起の中国、先頭に立つ企業の内側を探る(CNN.co.jp)

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(CNN) 中国の首都・北京南郊にある新しい建物。滅菌処理を施した白い壁の内側で、マスクにゴム手袋を付けた従業員2人がピペットを使い、せわしなく無色透明の液体を小瓶の列に移している。 建物の一部の区画では今も内装工事が続く。外では建設車両が地面を掘っている。 2万平方メートルの工場が建てられたのは、つい数カ月前のことだ。新型コロナウイルスワクチンを開発する目的に特化して、中国の製薬企業「科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)」が建設した。 同社のワクチン候補は「コロナバック」と名付けられた。他国に先駆けて新型コロナに対する免疫を付与し、科学力を誇示しようとする中国の取り組みの一環だ。 世界の科学者は現在、新型コロナウイルスを食い止める方策を見つけようとしのぎを削っている。これまでに6つのワクチン候補で第3相の臨床試験(規制当局への承認申請前に有効性と安全性を証明する最後の段階)が始まった。うち3つは中国製となる。 コロナバックの最終試験は、ブラジルやインドネシアで約1万1000人の有志を対象に行われている。 「全てが順調に進めば、年末ごろには一定の成果を出せると期待している」。シノバックの広報責任者、ヘレン・ヤン氏は北京市大興区のワクチン生産工場でそう語った。 米ナスダックに上場するシノバックは、1月下旬にワクチン開発に着手した。中国での感染拡大の震源地となった武漢が厳格な封鎖措置を取ってから、1週間もたたないタイミングだった。工場建設が始まったのは3月。ヤン氏によると、中国国家薬品監督管理局から承認が得られた場合、1年間で3億回分のワクチンを生産する計画だという。 コロナバックの開発では、不活化全粒子ウイルスにより人体の免疫反応を誘発する旧来の手法を用いる。人体に投与したウイルスが増殖して病気を引き起こさないよう、ウイルスは制御環境下で培養され、化学的に死滅させられる。この手法の有効性は他のウイルスですでに証明済みで、今でもポリオやインフルエンザ、狂犬病のワクチンに使われている。 一方、米国はウイルスの遺伝子物質を利用した、新しいタイプのワクチンの開発を推進する。このタイプならウイルスの全粒子試料を培養する必要がないため、より迅速に生産できる半面、どの遺伝物質を増殖させれば強力な免疫反応を誘発できるかについては、それほど分かっていない。

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(2020/09/05)