[ルポ]最期のお別れまでさえぎる「コロナ時代」の寂しい死(ハンギョレ新聞)

【リンク先抜粋】
 「母の最期を看取ることもできなかったのに、母の遺体を療養病院1階のロビーについたてを立てて安置しておいたのを見て、驚愕しました」  光州(クァンジュ)広域市に住むSさん(58)は、母親の死を思い浮かべる度、胸が詰まる。Sさんの母親、Cさんは先月24日、84歳で光州市北区(ブクク)のある療養病院で亡くなった。数年間、認知症(2等級)で苦しんだ母親が、昨年12月に療養病院に入院してから7カ月後のことだった。Sさんは母親が亡くなる直前の病院側の対応を考えると、怒りがこみ上げると話した。  同療養病院側は先月23日夜11時ごろに家族に電話をかけ、「状態が悪化しており、未明にも連絡するかもしれないから待機するように」と指示した。一睡もせず夜を明かしたSさん家族は、翌日午前10時25分に「防護服を購入してでも最後に母に会いたい」と懇願した。療養病院側は「危篤状態になったら臨終室に移して一人ずつ会えるようにする」と約束した。  しかし、Sさん家族は結局、最期を看取ることができなかった。Sさんは24日午後12時2分ごろ、「すぐに病院に来てほしい」という連絡を受けてから12分後、老母の死亡を電話で知らされた。長女のSさんだけが防護服を着て、6階の集中治療室ですでに亡くなった母親と涙で再会した。Sさんは「母の遺体はすぐに1階に移され、トイレ近くの仕切りで囲まれた空間に物のように置かれていた」とし、「コロナ禍とはいえ、故人の遺体に対する尊重は全く見られなかった」と語った。  同療養病院側は「2人室の患者の病室1室を空けて家族が最期の面会ができるように自主的に臨終室にしているが、Cさんの場合は病状が急激に悪化し、すぐに連絡したが家族が到着する前に亡くなった」とし、「(他の療養病院では)霊柩車が到着すると、故人の遺体をすぐに葬儀場に移すが、当院では1階で家族が最後に故人と対面できる時間を与えている」と話した。  新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、愛する人との最期のお別れすらまともにできない寂しい風景が日常になっている。特に、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離措置)がレベル2に引き上げられてからは、病院や療養病院に入院した高齢者を持つ家族は面会さえ難しくなり、療養機関などにいる高齢者は独りで最期を迎えるしかない。特に、COVID-19感染者は危篤の場合も家族

続きはこちら

(2020/08/31)