算数・数学好きの子どもを育てるには【前編】算数・数学嫌いの理由とは(ベネッセ 教育情報サイト)
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まず手始めに、お子さんといっしょに紙の上に円を描いてみましょう。コンパスや定規は使わずに、フリーハンドで「まんまる」を描いてください。あなたとお子さんとどちらが上手に描けたでしょうか? 出来映えを比べて、何度もチャレンジしてみましょう。
実は、私は毎年11月に、フリーハンドでどれだけきれいな円が描けるかを競う「円描き大会」を主催しています。「円」とは、中心から等距離にある点の軌跡だと数学的に定義することができますが、そんなことを知らない幼稚園児でも、「まんまる」は描けます。それができるのは、「円」というものが、学校で習うまでもなく、私たちの心の中に宿っているからです。
ほかにも、どちらの棒が長いとか、どちらがたくさんあるとか、子どもたちは算数を習う前からいろいろな算数的な事柄を直観的に理解する力を持っています。そういう生得的な力を私は「基礎数学力」と呼んでいます。それは、数学的な原理や構造を見い出す能力です。「見てそれとわかること」と言ってもよいでしょう。
それは目で見てわかることだけではありません。たとえば、ハトが10羽いるのに巣が9個しかないと、何が起きるでしょうか。もちろん、どこかの巣にハトが2羽入ることになりますね。その理由をうまく説明できないにしても、誰もがそう考えると思います。これも基礎数学力のひとつです。私は基礎数学力を自然に伸ばして、学校で習う算数・数学と向き合う「態度」を育てることが大切だと考えています。