永長東海地震で海底地滑りか 静大調査「津波、数秒で襲来も」(@S[アットエス] by 静岡新聞SBS)

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 静岡大防災総合センターの北村晃寿センター長の研究グループは31日、県庁で記者会見し、焼津市浜当目の低地で行った津波堆積物の調査で、1096年の永長東海地震で海底地滑りが起きた可能性があるとの調査結果を公表した。北村センター長は「局所的ではあるが、南海トラフ巨大地震で地震による津波より早く、海底地滑りによる津波が秒単位で襲来する可能性がある」と警鐘を鳴らす。  研究グループは2015年11月~16年4月、ボーリング調査を計12カ所実施し4層の津波痕跡を発見した。調査結果は4年前に同市役所でも公表しているが、データを補強し永長東海地震で海底地滑りが起きた可能性があることを初めて裏付けた。  調査によると、永長東海地震以降の約400年間に、永長、正平(康安)、明応の地震によるとみられる計3層の津波痕跡が見つかった。一方、永長以前の約4千年では、紀元前805~405年の1層だけだった。永長東海地震以降、外洋から守られた水域が浅い場所が失われている環境変化も見て取れた。こうしたことから浜当目にはかつて、海岸から細長く延びた砂の地形があり、自然堤防の役割を果たしていたが、永長東海地震による海底地滑りで崩壊し、陸域が繰り返し浸水するようになったと結論付けた。  北村センター長は2009年8月の駿河湾の地震でも海底地滑りが発生していることを指摘した上で、「海底地滑りは県の第4次地震被害想定には反映されていない。海底地滑りを解明することが静岡県地震防災の喫緊の課題」と述べた。研究成果は科学の国際誌「クウォータナリーサイエンスレビューズ」に掲載予定。

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(2020/08/31)