熊谷紗希「全てに感謝」アジア人初CL決勝戦ゴール(日刊スポーツ)
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<女子欧州チャンピオンズリーグ:リヨン3-1ウォルフスブルク>◇決勝◇31日◇スペイン・サンセバスチャン
【写真】優勝カップを頭上に掲げるリヨン熊谷紗希
日本代表DF熊谷紗希(29)の所属するリヨン(フランス)が3-1でウォルフスブルク(ドイツ)を下し、5連覇を達成した。最多を更新する7度目の優勝。熊谷はボランチでフル出場し、1点リードの前半43分に豪快なミドルシュートを決め、アジア人として初めて決勝でゴールを挙げた選手となった。リヨンは新型コロナウイルスのため途中で打ち切られた国内リーグに加え、国内カップ戦も制しており、2季連続で「3冠」を達成した。
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女子サッカー界最高峰の舞台で熊谷が躍動した。1点リードの前半43分。ペナルティーエリア外でボールが自身の前にこぼれると、迷わず左足を振った。利き足とは逆ながら鋭いシュートがゴール右へ決まると、両拳を突き上げて喜びを爆発させた。3-1の快勝での優勝に貢献し、試合後は自身のSNSに「仲間に感謝。全てに感謝。応援本当にありがとうございました」と喜びをつづった。
世界屈指の強豪の中でも見劣りしないプレーで成長を続ける。13年にフランクフルトから加入し、今季で在籍7年目。日本代表ではセンターバックだが、チームでは欧米選手にはない器用さと献身性で主にボランチを任される。リヨンはフランス初の完全プロクラブで、各国代表選手がひしめく女子の欧州最強チーム。「日常がW杯みたいな状況」と語る環境の中で、今大会は16強から全試合先発フル出場するなど、主力として堂々と戦い抜いた。
欧州サッカー連盟によると、決勝での得点はアジア人史上初の快挙。15-16シーズンの女子CL決勝では最優秀選手にも輝き、19年W杯フランス大会ではコカ・コーラ社のプロモーション映像にアジア人選手で唯一出演するなど、その活躍は世界で認められている。
今年1月にはクラブとの契約を来年6月まで更新し「日本人の自分が、世界のトップレベルでできることを見せ続けられれば」と覚悟を口にしていた。日本代表としても11年の世界一を知り、現在は主将も務めるが、まだ29歳。満足することなく、これからも世界の最前線で戦い続ける。
◆熊谷紗希(くまがい・さき)1990年(平2)10月17日、札幌市生まれ。小学3年時にサッカーを始め、宮城・常盤木学園高2