シリーズ「防災・私の提言」 桜島で約40年研究 京都大学・井口正人教授(MBC南日本放送)
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9月1日は防災の日、防災について専門家に聞くシリーズ「防災・私の提言」をお伝えします。1回目は、桜島で火山の研究に取り組む、京都大学の井口正人教授です。
(京都大学 井口正人教授)「教訓というような堅苦しい言い方ではなく、普段の生活スタイルの中で防災を身に着けるべき」
桜島にある京都大学火山活動研究センターです。井口正人教授62歳。1981年に赴任して以降、およそ40年にわたり桜島の研究を続けています。井口教授は桜島の活動はこの30年間、比較的穏やかだと話します。
(井口教授)「1970年代後半から80年前半にかけては、爆発で弾道を描く大きな噴石がよく飛んだ。桜島山麓において、今でいえばレベル5にすぐに上げないといけない状況が繰り返し起きていた。
ところが、1990年代に入って活動は低下。2000年代に入るとさらに静穏化していった。桜島が災害を起こす火山であるということが忘れられてきた。これだけ頻繁に噴火しているにも関わらず、やはり災害は忘れ去られるもの」
井口教授は、火山災害は風水害などほかの災害と比べ発生頻度が低いため、具体的な被害をイメージすることが難しいとした上で、過去の災害を知ることが重要と話します。
(井口教授)「8・6水害の教訓はいまだに残っていると思う。毎年のように今年も雨が相当降ったが、(風水害は)繰り返すので記憶に残りやすい。他の災害は過去の失敗が新たな対策を生み出してきたが、火山噴火は深刻な災害になるような噴火が、日本では少なくとも100年間起きていない。100年前の噴火と言ったらまさに桜島大正噴火」
106年前の大正3年に発生した20世紀国内最大の噴火、桜島の大正噴火です。火山灰や溶岩などの噴出物は30億トンで、最近桜島で起きている1回の噴火の10万倍の規模でした。58人の死者が出ました。
井口教授は桜島にマグマを供給していると考えられる鹿児島湾の奥・姶良カルデラでは、マグマの蓄積量が、大正噴火前のレベルまで戻りつつあるとして、大規模噴火への警戒を強めます。
(井口教授)「大正噴火と同じことが今の令和の時代に鹿児島で起こったら、一体どんなことが起こるのか想像して、その対策が必要。交通をはじめとするインフラが(当時とは)全く違う。インフラがまともに機能しないと生活すらできない。そういう時代に我々は生きているという認識が必要。避難を