近世の働く人々生き生きと 職人尽くし?風(産経新聞)

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 「大阪くらしの今昔館」(大阪市北区)で開催されている企画展「歳時記と祝い事」で9月16日から、新収蔵品「職人尽くし」?風(びょうぶ)が初公開される。近世の町家が立ち並ぶ風景の中に、さまざまな商人や職人の姿を描写した希少で魅力的な作品。市民層の台頭を反映し、都市に暮らす人々の日常生活が生き生きと伝わってくる。10月4日まで。  企画展は「近世の生活文化に触れてもらおう」と、これまでに収集した館蔵品の中から季節に合わせて飾られた掛け軸や?風、節句飾りをはじめお宮参りや婚礼の衣装など「ハレの日」を彩った約100点を展示している。  公開される?風は、個人から同館に寄託されたもので、描かれた場所や作者は不明だが、時代は江戸と推定されている。本来「職人尽くし」と呼ばれる絵画の多くは、個別の職人を取り上げてそれを大きく描くのが一般的だが、この?風は町の中で働く多種多様な商人や職人を克明に描写。職種も呉服屋や本屋(製本)、染物屋、薬屋、足袋屋、曲物職人、仏具職人、傘張りなど多岐にわたる。  「いろんなお店であったり、さまざまな職人さんがいる中で江戸時代の都市の生活が成り立っている。そういう視点で描かれているもので、それが非常に珍しい作品」と同館の学芸員、深田智恵子さんは説明する。  町家の表格子を修理する大工、3階建ての表蔵の壁を塗る左官など建築関係の職人のほか、通りには露天商や水、薪、食品などの振り売り、猿回しの大道芸人、荷車を引く人など多様な人々の姿が描かれ、中には今ではすっかり見かけなくなった職業もある。  深田さんは「館内には近世の大坂の町並みを実物大で復元した展示室がありますので、絵に描かれた職人の姿とリンクしてみていただくとより楽しめるのでは」と話している。  午前10時~午後5時。入館料は企画展のみ300円。火曜日休館。問い合わせは同館。

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(2020/08/28)