GDP「歴史的暴落」の英国 外出制限の遅れ響く(産経新聞)

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 【ロンドン=板東和正】英国の4~6月期の国内総生産(GDP)は世界主要国・地域の中で最も落ち込みが大きく、「歴史的な暴落」とまで揶揄(やゆ)された。新型コロナウイルス感染拡大を受けた外出制限の実施が他の欧州諸国より遅れ、経済活動が早期に再開できなかったのが主な要因だ。感染が世界で再拡大する中、英国は離脱した欧州連合(EU)との貿易交渉が円滑に進まず、景気回復に暗雲が垂れこめている。  英国の4~6月期GDPは物価変動を除いた実質で前期比20・4%減となり、記録のある1955年以降で最大の下落を記録した。このペースが1年間続くと仮定した年率換算では59・8%減。2020年1~3月期(前期比年率8・5%減)から2四半期連続のマイナス成長となり、景気後退局面に入った。  4~6月期GDPを他の主要国・地域と比べると、27・8%減の日本や32・9%減の米国、40・3%減のユーロ圏に比べ、悪化ぶりは突出している。  英GDP暴落の背景には、外出制限の遅れなどジョンソン英政権による初動対応のつまずきがある。ジョンソン首相は3月中旬ごろまで、人口の一定割合がウイルスの免疫を獲得することで感染を抑制する「集団免疫」の戦略を掲げていた。国民の行動を強く縛る外出制限は経済への影響が大きすぎると判断したからだが、感染者数が急増したため、3月23日に外出制限に踏み切った、ただ、イタリアやフランスなどに比べ1~2週間出遅れた。  英メディアは「外出制限の遅れによって感染状況が悪化し、経済活動に悪影響を及ぼした」とした上で、経済再開がずれ込んだことで、ホテルや飲食店など主力産業であるサービス業が19・9%も落ち込んだとの見方を示す。サービス業の英GDPに占める割合は他の欧州諸国を上回っており、第一生命経済研究所の田中理主席エコノミストは「サービス業は外出制限の影響が大きく、英経済への打撃は致命的だった」と解説する。  英国の6月の実質GDPは前月比8・7%増となったことから、スナク英財務相は、英メディアに「明るい兆しを確認した」と語り、プラス成長に転じる可能性を示した。とはいえ、英経済がコロナ禍前の水準まで回復するには「相当な時間を要する」(英経済専門家)とみられる。  景気回復に悲観的な見方が広がっているのは、感染拡大「第2波」の脅威が高まっているからだ。英国は8月に入り、1日

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(2020/08/23)