米批評家も大絶賛の青春コメディ映画『ブックスマート』に学ぶLGBTQと多様性の描き方(HARBOR BUSINESS Online)

【リンク先抜粋】
 明日は高校の卒業式。親友同士のモリーとエイミーは、共に4年間勉学に勤しみ希望の進路を勝ち取った。ところが、パーティー三昧に見えていたクラスメイトたちも、同じかそれ以上にハイレベルな進路を歩むことを知ってしまう。2人は失った青春をたった1日で取り戻そうと、卒業パーティーに潜り込むことを決意する。  単純に言えば、これは「リア充爆発しろ!」ならぬ、「リア充の楽しさを1日だけで取り戻してやる!」な物語だ。卒業パーティーに呼ばれてもいなかった2人が、その場所にたどり着くためにあの手この手を使い、道中では大小様々なハプニングが起こる。あまりの事態に笑ってしまうと共に、彼女たちのことを心から応援できるようになっているのだ。  本作の監督を務めたオリヴィア・ワイルドは、本作を女の子たちが活躍するガールズ・ムービーというよりも、むしろアクション映画や戦争映画のような感覚で製作していたのだという。その理由の1つは、「大人には高校生の悩みなんてかわいく思えるけど、彼ら彼女らにとっては戦争だから」となのだとか。実際の本編でも、卒業パーティーに参加するまでの過程は命がけとも言っても過言ではなく、主人公2人は戦争を共に生き抜いた戦友のようにも見えてくる。  さらに、監督が参考にした映画は『ビバリーヒルズ・コップ』(1984)や『リーサル・ウェポン』(1987)だったのだという。パーティー会場への手がかりを得るために主人公のコンビが様々な証言や証拠を集め、推理をして奔走していく様は、確かに“バディものの警察映画”のようでもあった。  さらに、その主人公のコンビは、決して「イケていないガリ勉な女の子」ではない。彼女たちは下ネタも込みの毒舌を吐き、恋や性にも好奇心旺盛で、自己肯定感も強く、勉強漬けだった日々の鬱憤を卒業パーティーに潜り込むことで一気に晴らそうとする。そのキャラクターそのものが、とてつもなく痛快で愉快だ。  そんなわけで、本作にはダウナーな青春映画のような雰囲気はほとんどない、明るく楽しいエンターテインメント作品に仕上がっている。何しろ、魅力たっぷりな主人公2人の一夜限りの冒険を、戦争映画さながらの真剣さを備えつつも、バディものの警察映画の面白さをもって描いているのだから。下ネタは随所にあるが、それほどドギツイものではなく、一定の倫理観も保っている。極めて万人にオススメでき

続きはこちら

(2020/08/23)