「Mr.サマータイム」は「夏」の曲ではなかった?(日刊スポーツ)

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名曲やヒット曲の秘話を紹介する「歌っていいな」第5回は、男女混声コーラスグループのサーカスが歌った「Mr.サマータイム」です。今も「夏」を思い起こさせる名曲として多くの人に愛されていますが、実は発売直前まで、「夏」を強調した歌ではありませんでした。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 「Mr.サマータイム」は、ひと夏のアバンチュールを後悔する女性の気持ちを切々と歌い上げた曲で、1978年(昭53)7月3日付の音楽情報誌「オリコン」でシングルランキングで1位を獲得した。それまで3週連続で1位だった矢沢永吉の「時間よ止まれ」から首位を奪ってのNO・1だった。 当時「時間よ止まれ」は資生堂のキャンペーンソング、一方の「Mr.サマータイム」はカネボウの夏のキャンペーンソングで、大手化粧品会社の両雄対決だったが、初めてカネボウに軍配が上がった歴史的な日にもなった。 実は当初、「Mr.サマータイム」は、夏とは無縁の歌だった。最初のタイトルは「Mr.メモリー」だった。フランス人歌手ミッシェル・フュガンが72年に同国で大ヒットさせた曲で、日本でも「愛の歴史」という邦題で発売されたが、不発だった。それから6年後の78年、サーカスの2枚目のシングル曲として発表された。 サーカスは77年に、男性2人と女性2人の4人組でデビューしたが、バンド志向の男性2人が脱退、叶正子(当時25)と、いとこの卯月節子(当時26)のオリジナルメンバーに、正子の2人の弟、高(たかし=当時23)と央介(当時21)が加わった新しいメンバーで活動を始めていた。ファミリーならではの絶妙のハーモニーが心地よく、創立されたばかりのレコード会社「アルファレコード」から2枚目のシングルを発表することになった。もっとも同社は新参だったせいか、オリジナル曲ではなく、あまり知られることなく埋もれていた「愛の歴史」をカバーすることになった。タイトルは原曲通りの「Mr.メモリー」だった。 アルファレコードの初々しい売り込みが功を奏し、カネボウの夏のキャンペーンソングとしてタイアップが決まった。化粧品メーカーのキャンペーンソングは76年の小椋佳「揺れる、まなざし」や、77年の尾崎亜美「マイ・ピュア・レディ」やダウンタウンブギウギバンドの「サクセス」などが次々とヒットしていた。もっともそのどれもが、資生堂のキャンペーンソングで、カネボウの

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(2020/08/23)