「神の島のこどもたち」出版 作家・中脇さん、戦中戦後の沖永良部描く(南海日日新聞)
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鹿児島県沖永良部島の戦中戦後をテーマにした作家・中脇初枝さんの著書「神の島のこどもたち」(講談社文庫)が12日、出版された。単行本「神に守られた島」(2018年7月刊行)、「神の島のこどもたち」(19年1月同)を加筆、修正して1冊にまとめた文庫本。小説だが、その素材となった島の歴史、文化、島唄、言葉などは中脇さんの入念な取材を基に描かれており、戦争を知らない世代が当時の同島の状況や暮らしに思いをはせるきっかけになりそうだ。
中脇さんは徳島県生まれ、高知県育ち。沖永良部島には13年1月、同島でしか記録されていない昔話を調べるために初来島した。島の高齢者から、昔話や歌だけでなく米軍の空襲や復帰運動など本土と異なる戦中戦後の話を聞き、衝撃を受けたのが作品づくりの原点となった。
文庫化するに当たって、多くの読者にとってはなじみのない75年前の物語に親しみを持ってもらえるよう、特に戦時中のくだりを加筆、修正。中でも特別攻撃隊として二度沖縄へ出撃、機体故障で生還した元隊員から話を聞き、当時の心情や出撃時の状況を加筆した。