1980年代の個性的な日本車セダン4選(GQ JAPAN)

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初代レパードが1980年に登場したときは衝撃だった。ひとことでいうと、冒険的だったからだ。910型ブルーバードから6気筒を落とし、そのかわり上級車種を……と、考えた日産自動車のマーケティングの帰結である。 冒険的であると思ったのは、なににも似ていないスタイリングが大きい。4630mmのボディは当時としてはまずまず大きく、伸びやかな印象を活かして、逆カンチレバー(Aピラーのみ車体と同色に塗装し後はブラックアウトするデザイン手法)のルーフと大きなウィンドウ面積のキャビン。新しい高級セダン像を見せてくれたのだ。 もうひとつ、さらに冒険的だったのが、2ドアハードトップの設定である。ボディ側面はほとんど1枚の大きなドアという大胆さ。くわえて、リアクオーターウィンドウとリアウィンドウをつなげているため、外から見ていると、後席乗員は水槽のなかにいるみたいだった。 当初は2.8リッター/2.0リッター直列6気筒と1.8リッター直列4気筒の2本立て。1984年のマイナーチェンジで3.0リッターV型6気筒ターボが設定された。メカニズムとしては、ロックアップ機構付き3段オートマチック変速機や、車高自動調整システムが採用された。もっともヘンな技術は、ワイパー付きフェンダーミラーである。 乗った印象は、ふわふわした乗り心地のモデルがあるかと思うと、ターボのように瞬発力命のモデルもあり、総体としてレパードはどんな高級セダンなのか、わかりにくかった。 「スカイラインRS」みたいに車体側面下部をブラックで塗装し「TURBO」と大きく入れた塗り分けの2ドアターボもあって、「メルセデス・ベンツだったらこんなことやらないだろうなぁ」と、思ったものだ。 でも、メーカーがあれもこれもとさまざまな技術を投入した、その混沌としたかんじが、成長期に入った当時の日本車そのもの。いまなら広い気持で、いいじゃない、と思えるのだ。

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(2020/08/08)