「2800億円を提供」 大手チェーン会長が魅了されたM資金詐欺、その衰えぬ魔力(産経新聞)

【リンク先抜粋】
 先の大戦に敗れた日本を統治したGHQ(連合国軍総司令部)が接収したとされる巨額資産「M資金」を提供すると持ち掛け、多額の現金をだまし取った男らが、神奈川県警に逮捕された。大手飲食チェーンの運営会社会長が狙われ、30億円以上を詐取されたとみられる。他にも複数人が被害にあい、県警がこの分についても立件を検討していることも判明。M資金の絡む詐欺事件は古くから繰り返され、実業家や著名人らがターゲットにされてきた。なぜ、だまされるのか。男らの巧妙な手口を追った。(浅上あゆみ)  ■“自社ビル”用意  「このビル。まるまる1棟、うちの法人のものなんですよ」。平成29年9月、皇居の緑も見渡せる東京・丸の内の高層ビルで、高級スーツに身を包んだ男2人が男性に語りかけていた。  「英国にあるM資金の管理団体と直接交渉できる」「交渉費を払ってもらえたらあなたにも提供できる」  詳細な資料を示し、男性を勧誘した男2人は飯田正志容疑者(79)と五十嵐文昭容疑者(59)。今年6月、県警に逮捕されたM資金詐欺グループのメンバーで、指示役とされる武藤薫容疑者(66)と共謀し、30億円をだまし取った疑いがもたれている。  男性に提供可能額として示されたのは、実に2800億円。「M資金の提供を受ける人なら、その1%はポンと出せるような人でないとだめだ」。こう持ち掛け、一度に28億円を振り込ませたこともあったという。さらに、資金を保管する倉庫代など、男性は要求されるまま入金を繰り返した。  だが、捜査関係者によると、男性が招かれた都心の高層ビルは自社物件ではなく、五十嵐容疑者が代表の法人が会議室一室を事務所登記しているだけ。法人もペーパーカンパニーだったといい、信用を得るための「舞台装置」だったようだ。  ■冷静な判断奪う  関係者によると、被害に遭った男性は、複数の大手飲食チェーンを束ねる会社の会長。ほぼ一代で東証1部上場を実現した経営手腕の持ち主で、だまし取られた金銭は全て、個人資金だったという。  捜査関係者によると、男性はそもそも、25~26年ごろにも武藤容疑者が絡むM資金提供名目の手口で数億円をだまし取られていた疑いがある。このときには武藤容疑者と音信不通になったが、男性は県警に対し「審査に落ちたのだと勝手に思い込んでいた」と説明しており、だまされたという感覚はなかったとみ

続きはこちら

(2020/08/08)