相撲部屋の紅一点「おかみさん」の在り方は旧態依然、“弱い立場に重責”の現状(週刊女性PRIME)
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そして「日刊スポーツ」が5日、茨木県龍ヶ崎市にある「式秀部屋」から9人の力士が脱走したと報じて、こちらも大きな衝撃を与えた。9人は4日、カラオケボックスに逃げ込んで相撲協会の通報窓口に連絡。おかみさんの行き過ぎた指導に我慢の限界を超えたと話していたという。
そもそも通報窓口は2014年、日本相撲協会が公益財団法人になる際、相撲部屋で問題が起きた際の受け入れ窓口として設置されたものだ。相撲協会では全力士に向けて度々、研修会を開き、何か問題が起こったときには「相談、報告、通報」がコンプライアンス順守のために大事だと言ってきた。今回はそれの一応の結果だろうと評価したい。問題がもっと深刻になる前に通報されたのだから。
とはいえ、あれ?と思ったことがある。おかみさんが厳しく指導したというのも、今年に入ってから式秀親方の体調がすぐれず、本場所も休み、稽古の指導も出来なくなったからというのだ。そういう場合、一門(稽古を共にしたり、土俵づくりを手伝い合ったり、冠婚葬祭を共にしたりする、人脈的な派閥)の親方が来て、指導をしてくれたりはできないのだろうか?
相撲部屋には師匠のほかに「部屋付き親方」という人たちがいる場合がある。たとえば式秀部屋は出羽海一門だが、一門の中心である出羽海部屋には師匠のほか、以前こちらでインタビューさせてもらった高崎親方や(『力士がコロナ陽性でも、相撲協会が5月場所を簡単にはあきらめない理由』記事参照)、中立親方、出来山親方がいる。そういった方々に指導に来てもらうことは難しいのだろうか?
もちろん、今はコロナ禍で難しいのはわかる。でも、式秀部屋には部屋付き親方はおらず、指導者が師匠1人しかいないのだから、オンラインでも指導するというのは難しかったろうか? まずは何より、式秀親方はそういう依頼をしたんだろうか? さらに一門だけでは難しいなら相撲協会が動いて、相撲教習所で新弟子たちの指導に当たる指導員にお願いするというのでもいいのでは? 師匠不在でおかみさんが指導というのはおかしいだろう。相撲協会はこうした危機管理をしていないのだろうか?
そもそも、おかみさんはたまたま相撲部屋の師匠となった男性と結婚していた、に過ぎない。もともと、相撲協会員でもないのだ。