落合博満もイチローも叶わなかった…プロ野球史上初の「4割打者」は誕生するのか(日刊ゲンダイDIGITAL)

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 今年は米大リーグが162試合から60試合、日本のプロ野球が143試合から120試合と、それぞれ公式戦が短縮された。野球ファンにとっては何とも物足りない感じだが、そんな中で話題となっているのが「4割打者」の誕生だ。  大リーグの公式ホームページは、昨シーズンの開幕から60試合までに打率4割をキープした打者の特集記事を掲載。一方、今シーズンのプロ野球をみると、広島の堂林翔太選手が7月24日までに4割1分0厘となり、ソフトバンクの柳田悠岐選手も8月4日時点で3割8分2厘の高打率を維持している。  80年を超える長いプロ野球の歴史でも4割打者はいない。打率4割については、三冠王を3度取った唯一の打者、元中日監督の落合博満氏がこう言っていたという。 「1シーズンにどんな球でも打てそうな期間が1週間から10日くらい続くことがある。それが年に3回ある。それが4回になれば4割は打てる」  現役時代の落合氏は、キャンプで練習が休みの日は部屋によく閉じこもっていた。イメージトレーニングのため、自分が本塁打を打った場面をテレビ局に編集してもらい、そのビデオを見るためだった。その姿を目撃したチームメイトによると、落合氏はそうやって、「相手投手、球種、カウントをすべて記憶していた」という。  ある時、落合氏がキャンプで若手を集めて打撃指導を行った。たまたま、そのキャンプを訪れていた野球評論家が選手に「落合からどんなことを教えてもらったのか」と尋ねると、即座にこう答えたという。 「落合に教わったことは全部忘れろ! すべてその通りだが、君たちにはレベルが高すぎる」  落合氏はロッテ時代、試合前には気象台に(本拠地だった)川崎球場の風向きや強さを聞き、その風に打球を乗せて長打を放ったと言われた。ふつうの選手は球場に掲げられた球団旗などを見て風の方向を判断するが、わざわざ気象台に――と噂されたのが落合氏らしい。それだけの技術があったからだろう。  ちなみに落合氏のシーズン最高打率は3割6分7厘(1985年)。この年を含め、3割6分台以上のシーズン打率を2度記録しているが、これはプロ野球では3人しかいない。残る2人はいずれも左打者(元巨人のウオーレン・クロマティと、元オリックスのイチロー)である。  卓越した打撃理論と技術に加え、たゆまぬ研究と努力。そんな落合氏でさえも「打率4割」

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(2020/08/07)