あえて今、ワゴン&セダンに注目すべき理由はどこにあるのか?(GQ JAPAN)
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ステーションワゴン市場がいまや風前の灯火と言ったら、かつての隆盛を知る世のオジサンがたはびっくりするでしょう。
ちなみにある調査会社が発表した2019年の統計によると、グローバルなステーションワゴン(以下、ワゴンと表記)の販売台数は230万台ほど。不人気とされるセダンでさえ1900万台近くも売れているので、その1割をやや上まわる程度の販売台数でしかありません。
ちなみに現在もっとも人気のボディスタイルはご想像のとおりSUVで販売台数は3000万台オーバー。そのシェアは乗用車全体のおよそ40%。つまりSUVだけで、セダンとワゴンの合計を上まわる台数が販売されているのです。
「じゃあ、自分は人気のSUVに乗ろう!」という人をお引き留めするつもりは毛頭ありませんが、「こんなご時世だからこそ、あえてセダンかワゴンに乗りたい」と、お考えの方に(そう、アナタです!)、アウディA6を軸にしてセダンとワゴン(アヴァント)の魅力を語りたいと思います。
まずは、セダンとワゴンがSUVに優っている点を紹介しましょう。
すぐにわかるのがSUVよりもセダンやワゴンは全高が低く、したがって重心が低いこと。オフロード性能の高いSUVは最低地上高(車体から地面までの距離)がセダンやワゴンよりも大きいので、さらに重心高が高くなりがちです。そして重心が高くなればなるほどクルマは乗り心地とハンドリングが悪くなる傾向にあります。
重心高がクルマの性能にどんな影響を与えるか、モップでたとえてみましょう。そう、あの掃除で使うモップです。
まず、モップの柄の部分を手に持ち、ブラシ部分を天に向けて突き上げてみてください。それでモップを左右に振ろうとすると、どうですか? ちょっと重く感じますよね? 反対にブラシ部分を手で持って柄を天に向けて突き上げると、どうでしょうか? こちらのほうがずっと軽く感じますよね。
モップの柄の部分を持つのが重心の高い状態、ブラシの部分を持つのが重心の低い状態です。さて、それぞれの態勢でクルマに乗り、コーナーを勢いよく曲がったら、どうなるでしょうか? あなたとモップには遠心力がかかり、コーナーの外側に振り出されそうになります。このとき、柄の部分を持つよりもブラシの部分を持つほうが楽なはずです。つまり、コーナリング時は重心が低いほうが姿勢を支えるうえでは楽なわけです。
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