コロナと人類の終末──「生煮えな世界」で見えてくるもの(Forbes JAPAN)

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歴史的な出来事が起こると、それを題材とした小説が数多く誕生する。今回のパンデミックも、多くの小説家にとって描きたくなる題材であることは間違いない。 カート・ヴォネガット著『ガラパゴスの箱舟』やマイケル・クライトン著『アンドロメダ病原体』など、これまで「終末」を描いた小説が多く存在するように、今回のパンデミックに関しても、同じような位置付けで作品を手掛けることができそうだ。 しかしもとより、なぜ作家は「感染症による世界の終末」に向かう世界を描きたがるのか。そこにはどんな動機や欲求があるのか。 そんなテーマのもと、7月6日、東京都渋谷区のイベントスペース「晴れたら空に豆まいて」でジャーナリストの森健氏、芥川賞作家上田岳弘氏、週刊プレイボーイ編集長松丸淳生氏の鼎談が行われ、ユーチューブでライブ配信された。以下一部抜粋して紹介する。 予想できた終末は起こらない 「最後はどうなるのだろう、と考えるのは、人間の性ではないだろうか」と3人は話し始めた。 例えば、物語の原型は神話であったりする。神話は、「天国」や「神」など、ある種の終末的要素を含んでいることが多く、そこから考えると、やはり人間の本質的な部分に絡んでくるものが「終末」なのかもしれない。 (左から)ジャーナリスト森健氏、芥川賞作家上田岳弘氏、週刊プレイボーイ編集長松丸淳生氏 「末長く幸せに暮らしました」という結びでも良いが、「じゃあ最後はどうなるのだろう?」という考えになるのが人間の本質であり、物語は結局、終わらないと終わらない。 もうひとつ、「予想できた終末は起こらない、大丈夫」という強迫観念的なところも、作家が「終末」を描く動機となっているのかもしれない、と上田氏は語る。 上田氏は次のようにも言う。「これまで多くの作家たちが様々な終わりのパターンを提示してきたが、その度に予想できた以上は起こらないだろう、という気持ちにさせられてきた。今回のパンデミックのように、予想外のことは意外と起こるからだ」。 そういった意味では、新型コロナウイルスも、「ちょっとオカルトじみた話になるけれど、誰かが描いていたらもしかしたら起こらなかった」のかもしれない。 コロナは、多くの人が無症状な「生煮え」の状態 では、今回のパンデミックについて実際に描こうとすると、どうなるのか。 森氏は、「新型コロナウイルスがも

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(2020/08/06)