NHK、肥大化の疑念払拭できず 改革乏しい次期経営計画案(産経新聞)

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 NHKが4日に公表した次期経営計画案は、改革性に乏しい内容といえる。国民生活に直結する受信料値下げを見送ったからだ。民放に比べ潤沢な財源を支える受信料に斬り込まない限り、再三指摘される「肥大化」への疑念が払拭されるはずもない。改革の目玉といえる衛星放送、ラジオのチャンネル削減時期も明示されていない。「空手形」と疑われないためには、具体的な記述が欠かせない。  令和元年度のNHKの決算(単体)によると、受信料収入は7115億円。一方、在京民放キー局の売上高は、首位の日本テレビでさえ3072億円と、NHKの半分以下に過ぎない。  保有チャンネル数も地上波2、衛星波4、ラジオ3と9つに上る。今年3月には、テレビ番組を放送と同じ時間にインターネットにも流す「常時同時配信」を含む新サービス「NHKプラス」の試行を始めた。採算面などの理由から民放はまだ常時同時配信に慎重姿勢を見せており、ネット空間でもNHKの存在感は確実に高まっている。  月額の受信料は、地上契約のみで1260円、衛星を含むと2230円。近年広がる有料動画配信サービスの米ネットフリックス(880~1980円)、Hulu(フールー、1026円)などと比べると割高感は否めない。  だからこそ、民放や総務省はNHKの肥大化を指摘してきた。総務省の「放送を巡る諸課題に関する検討会」に設けられた「公共放送の在り方に関する分科会」はとりまとめで、受信料水準について「一層の合理化・効率化に取り組んだ上で必要となる事業規模に見合う形で、適正に算定することが必要」と要望。高市早苗総務相は「(業務、受信料、ガバナンスの)三位一体改革を進めるうえで不可欠だと考えている」と評価した。  だが、経営計画案では受信料の新たな値下げは盛り込まれず、衛星とラジオのチャンネル削減時期も記されなかった。「いつ」という重要情報を記さない計画で、本当に実行することができるのか。  中期経営計画のキーコンセプトとして「NHKらしさの追求」が掲げられている。その意図を7月の会見で聞かれた前田晃伸会長は「民放が評価されている放送をまねするというのはやる必要はないと思っている」と述べ、「NHKでなければできないものをやること」と説明した。NHKでは民放と同じような番組が散見される。公共放送に真に必要な事業に絞り込み、余計な費用は受信料値下げとい

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(2020/08/04)