「藤井棋聖は時限爆弾を解除し続けた…」将棋中継をドラマチックにする「SHOGI AI」の“人間味” 開発責任者が明かす秘話(ABEMA TIMES)

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 6月8日、東京・千駄ヶ谷の将棋会館で行われた棋聖戦の第1局は、最終盤までもつれる大熱戦となった。125手目、挑戦者である藤井聡太棋聖が渡辺明二冠(当時は棋聖位含め三冠)の王将に「詰めろ」(次に何もしなければ詰む状態)をかける。渡辺二冠は自陣の防御をあきらめ、藤井陣内に角を打ち込んで王手をかけた。ここから渡辺二冠は16手連続で藤井玉に王手をかけ、藤井棋聖が猛攻をかわし続けるという、観戦者にとっても手に汗握るクライマックスが30分以上にわたって続いたのだった。 「リアルタイムで見ていて鳥肌が立ちましたね…」 今も興奮した面持ちで振り返るのは、「SHOGI AI」の開発を主導した藤崎智(さとし)氏。ABEMAの最高放送技術責任者である。今年1月から本格的に運用が始まった「SHOGI AI」は、この棋聖戦でも大活躍。藤崎氏はAIの「形勢判断」と「候補手」の表示があったからこそ、見ている側があれだけの緊張感を感じられたのだと語る。 「AI表示があるから『え、これはこっちに逃げたら90%マイナスで逆転なんだ!?』というドキドキがあるんですよね。常に爆弾の処理をしているような状態ですから」  「SHOGI AI」は対局中継の画面上部に、その時点でのそれぞれの棋士が勝つ確率を「勝率ウインドウ」で表示する。「50%対50%」なら互角、「先手80%対後手20%」なら先手がかなり優勢…という具合だ。一方、画面右側には次に指す手の「候補手」が、“Best”“2(番目)”など推奨順に最大5手まで表示される。  別々に表される“勝率”と“候補手”だが実際は連動している。ある時点で示されている“勝率”は、実は次に指す側が、AIの示す“最善手”を選ぶという前提での数値なのである。次善手やそれ以下の候補手には右にマイナス〇%という数字が併記されている。つまり“最善手”を指せば今の勝率が維持されるが、それ以外の手を指せば、表示されたマイナス分、勝率が減ってしまう。勝率60%と表示された側がマイナス20%の手を指すと、直後に勝率が40%まで下がってしまう、という理屈だ。  この「最善手以外を指すと勝率が下がる」という「SHOGI AI」の仕組みが、棋聖戦第1局の最終局面を「映画のクライマックスシーン」(藤崎氏)のように盛り上げたのだった。  その場面を振り返ろう。125手目、藤井棋聖が渡

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(2020/08/04)