照ノ富士、奇跡の復活幕尻Vも…薄れる「番付」の重み(夕刊フジ)

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 7月場所(両国国技館)は元大関の東前頭17枚目、照ノ富士(28)=伊勢ケ浜=が奇跡の復活優勝で大団円。ただ、3場所中2場所で幕尻力士の優勝は快挙というよりも、「番付」の重みが薄れる異常事態だ。  再入幕の幕尻で13勝を挙げ、30場所ぶり2度目のV。一夜明けた3日、オンラインで会見した照ノ富士は「正直、ここまで勝つとは思っていなかった。10番勝てば三賞を狙えると考えながら、一日一番勝っていければと思った」と喜んだ。  膝などを痛めて19年春場所に序二段まで降下。そこから7場所連続で勝ち越し再入幕も、「(終盤は膝が)伸びなくなっていた。表彰式のときに土俵に上がったり下りたりするのはきつかった」と明かした。3場所前は幕下だった力士が、まさかの幕内最高優勝。見事な復活劇ではあるが、問題視するべき点もある。  今場所同様、両横綱が途中休場した初場所で幕尻の徳勝龍が優勝。この場所では照ノ富士も再十両で優勝しており、あまりの強さに「幕内にいても優勝していたんじゃないか」とささやかれていたが、それが現実となった。これで3場所中2場所で幕尻が優勝。一昨年初場所の栃ノ心、昨年夏場所の朝乃山ときて、3年連続で平幕優勝が出るのも初めて。こんな珍事を引き起こしているのが、今回も後手を踏んだ取組編成だ。  元大関の照ノ富士の地力はわかっていたはずだが、11日目の段階でも錦戸審判長(元関脇水戸泉)は「玉鷲(12日目の相手)に勝てば三役に持っていかないと」と悠長に構えていた。結果的に大関貴景勝が休場したため、13日目から上位戦が組まれたが、それでも遅かった。照ノ富士は「前半から勝っていたから勢いがあった。勢いに乗っていたから勝っただけ」と大関朝乃山、関脇御嶽海を難なく撃破した。  上位陣が不甲斐ない状況が続き、取組編成も見直されなければ、秋場所(9月13日初日・両国国技館)も誰が優勝してもおかしくない。(塚沢健太郎)

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(2020/08/04)