児童虐待~連鎖の軛 児相と警察「全権共有」期待と課題(産経新聞)
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命に関わる深刻な虐待への対応から子育て相談まで役割が集中し、余裕を失う児童相談所(児相)。その中でも子供を守る最後のとりでとして力を尽くすことは不可欠で、警察と連携して機能を補う取り組みが模索される。
その一つが、児相が子供の一時保護や家庭への立ち入り調査などをする際に、警察に同行を求める制度だ。児相が苦手としてきた強制的な介入をスムーズに行うことが狙いで、平成30年度は全国で398件の援助要請が行われた。
情報共有も進む。30年7月の国の通知で、少なくとも虐待によるけががあったり、一時保護を解除したりするケースは、児相が警察に情報提供することがルール化された。
例えば大阪市の児相「こども相談センター」では、事件性が高いと判断する事案はすぐ通報するほか、自ら把握した虐待事案(年間約2千件)の約4分の1にあたる、けががあるなどの事案も数日以内には大阪府警と対応歴を照合する。
反対に府警が先に通報を受けた際も、児相が把握している家庭かをすぐさま問い合わせ、虐待の疑いがあれば児相に通告。双方向の連絡で情報を共有しようとしている。
同センターはさらに、令和3年度から、虐待事案だけでなく、虐待なしと判断した事案も合わせた全ての概要リストを、毎月府警に提供する「全件共有」を行うことを決めた。
■低リスクでも
「全件共有」と呼ばれる取り組みに踏み切る自治体は、全国でも増えている。
産経新聞の調査では今年度初めの時点で、児相を設置する都道府県や政令市など72自治体のうち、全件共有を行うのは27自治体。うち10自治体は大阪市のように、結果として虐待とはいえなかった通告も含めて共有し、残りは虐待と判断したもの全てを共有する。
児相から警察への共有方法は自治体によって違い、(1)システム上で児相情報の一部を警察が閲覧(2)対応した概要のリストを定期的に警察に提供(3)警察も出席する「要保護児童対策地域協議会」でリストを共有-のおおむね3パターン。
(1)の埼玉県では警察は通報を受けたときにシステム上で児相の対応歴を調べることができ、(2)の大阪府では児相が対応したケースを警察がダブルチェックできる。(3)の長崎県では警察を含む関係機関で、支援が必要な子供全員を見守ることが目的となる。
■相互理解を
ただ、長期的視野で支援する児相に対し、まず現