安部トシ子さんの花嫁相談室「夏の結婚式に色打掛は着ていいのでしょうか」(25ansウエディング)
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夏用の新和装として、オーガンジーなどを使った羽衣のような打掛が出たこともありましたが、最近はあまり見なくなりました。「夏用の打掛」という決まったものはありません。けれど、一般的な重厚感のある織りの打掛よりは、染めの友禅のほうが軽やかで、夏らしいといえそうです。地色が青や緑といった、清涼感のある色味もおすすめです。
衣裳をチェンジする場合、キャンセルではないので料金がかかることはありません。ただ、もしも織りよりも友禅のほうがレンタル料が安かったとしても、差額のお返しはないかもしれませんので、衣裳屋さんに確認してみましょう。
お母さまの黒留袖については一応決まりごとがあり、夏は絽(ろ)や紗(しゃ)、6月と9月は単衣(ひとえ)となっていますが、袷(あわせ)の黒留袖の凜としたイメージはなんといっても美しく、夏だからといって絽を着る方はほとんどいません。また、お母さまが絽を着てしまうとゲストもそれに準じなければならず、実際夏の訪問着をお持ちの方は少ないため、ゲストがきものを着づらくなってしまいます。婚礼で夏物、冬物という約束ごとを厳しく守るのは、一般的には歌舞伎界くらいになりましたので、季節的な心配はしなくてもかまいません。
神社は建物そのものが有形文化財である場合、釘一本打つことはできないため、クーラーのない神殿も珍しくありません。クーラーなしで打掛は大変だと思うかもしれませんが、神社というのはどこも境内の樹木が大きく、隣接した建物もありませんので、クーラーが必要ないほど涼しいところも多いものです。また、結婚式のキリッとした緊張感のなかでは、花嫁さんは普段のようには暑さ、寒さを感じないようです。
ただ、お支度部屋にもクーラーがないとなるとちょっと辛いので、事前にクーラーの有無の確認を。設置されていない場合は披露宴をおこなうホテルなどで着替えて移動すると安心です。