【コラム】「このクラブが動けば価値が上がる」セビージャの優れたスカウティング&交渉力(SOCCER DIGEST Web)
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どうすれば、サッカークラブは強くなるのか?
クラブとして、やるべき優先順位は明らかだろう。
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クラブ補強の条件は、まずは強化が「目利き」であり、交渉に優れているという点にある。単純に、良い素材を選び抜いて戦力にできれば、必然的に優位に立てる。一方、そこで躓くと、スタートの時点で後れを取ることになるのだ。
ラ・リーガでは、セビージャが優れたスカウティングと交渉力で有名である。
「セビージャが触手を伸ばしたら、その時点で選手の価値が高騰する」
そう言われるほどに、セビージャの選手分析は定評があるのだ。
2019-20シーズンも、いずれも1年目のDFジュル・クンデ、ジエゴ・カルロス、MFジョアン・ジョルダン、フェルナンドが、各ポジションでリーグベストイレブンに近い働きを見せている。それぞれ好選手だったが、ネームバリューは高いとは言えず、一気に花開いた印象である。
アルゼンチン代表のルーカス・オカンポスは相応の肩書をひっさげてやって来たが、1シーズンでその価値は跳ね上がっている。また、2年目のチェコ代表GKトマシュ・ヴァツリークは、今やリーガ最高GKたちと肩を並べるほどだ。
慧眼の持ち主として有名なモンチ(2000年にセビージャのスポーツディレクターに就任し、2017年4月から2019年3月まではイタリア、ASローマのスポーツディレクターだったが、再び戻ってきた)を中心にしたスカウト集団は、欧州屈指。クラブの栄光を担ってきた。選手に合わせ、力を引き出してくれる監督も吟味しているのだ。
Jリーグでも、鹿島アントラーズ、川崎フロンターレは素晴らしいスカウティングと交渉力を持っている。それ故に、たとえ一時的にチームの成績が沈み込んでも、どこかで帳尻を合わせ、常にタイトルを争うことができているのだろう。人材の分厚さで、周りに差をつけている。
「そのチームの戦いに合うか」
それはスカウティングの基本の一つだが、好選手は環境にも適応できる。適応し、成長できない選手は、結局は停滞する。つまり、強化は適応力を見極められるか。その数字には出ない能力を、感覚的にはじき出せる必要があるのだ。