次は5000年以上先のネオワイズ彗星、満点の星空を背景に巨大望遠鏡とのベストショット(sorae 宇宙へのポータルサイト)
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この画像は大西洋に浮かぶ島々「カナリア諸島」の1つ、ラパルマ島で撮影されたものです。画像の左奥のほうには最近地球から見える「ネオワイズ彗星」が輝き、夕暮れの空の下には雲が見えます。撮影された場所は標高がやや高い位置にあり、雲がそこまで来ていないため天体観測には非常に良い条件になっているのです。一方、画像の中央と左右にあるのは直径が約17メートルもある望遠鏡「MAGIC」です。MAGICは宇宙からやってくるガンマ線を観測するための望遠鏡ですが、ガンマ線を直接検出するのではなく、ガンマ線が地球大気に入ったときに発生する「空気シャワー」と呼ばれる現象による光を観測します。MAGICは複数の鏡を組み合わせて反射鏡が作られており、昼間に遠目から見ても複数の巨大な鏡が設置されている姿に驚かされます。
この画像が撮影されたときには2台の望遠鏡が私たちの銀河系の中心部から来るガンマ線を観測するため、南東(画像のやや手前側)を向いていました。この方向にはいて座とさそり座があり、その星空が巨大な鏡に反射して見えています。そのためこの画像を撮影するカメラはちょうどその反対を向いていることになり、日本でも北の空に見える北斗七星がネオワイズ彗星の上に輝いているのがわかります。
ガンマ線の観測とネオワイズ彗星に直接の関係があるわけではありませんが、夕暮れのグラデーションと彗星、巨大な鏡を含めた星空の組み合わせで素晴らしい写真になっているのではないでしょうか。NASAのWebサイトでは約8.5メガバイトという大きなサイズですが非常に高い解像度の画像が見られます。スマートフォンで見る場合や通信速度によっては表示にやや時間がかかりますが、画像を拡大して望遠鏡に映る星や彗星の鮮やかさをぜひご覧ください。
ネオワイズ彗星は7月後半には夕方に北西の低い空で見られるようです。次に太陽に近づくのは5000年以上先と言われており、天候など条件が揃えば見てみたいところですね。